シンボルツリーはどう選ぶ？

生長後もイメージして、長く愛せるものを

シンボルツリーの選び方のポイントについて、今回はフラワーアレンジメントやインテリアグリーン、ガーデニング工事等を手がける、札幌市西区にある花屋さん「PEACE FLOWER WORKS（ピースフラワーワークス）」でお話を聞きました。

その家を象徴するシンボルツリー。建物をより引き立てたり、花や実、彩りで季節を楽しませてくれたりします。一度植えたら何十年と付き合うことになるため、どんな樹木を選ぶかは大事です。

種類によって生育スピードに違いはありますが、植えた当初は小さくても時を重ねれば大きくなり、樹形も変わります。地域の気候に合った種類を選ぶことや植え付ける場所はもちろん、どのくらいの高さになるのか、枝を伸ばすのか、生長した後のことも考慮に入れましょう。とくにお隣の家との距離が近い場合は、隣家の敷地に侵入しないか注意が必要です。

植え付け時期は、樹木が生命力に満ち溢れる春が最適。６月頃までに植えるのがおすすめです。根巻きの場合、根っこが布でくるまれた状態で植えます。根が出てきてしっかりするまで半年ほど。根付くまでには３年かかるといわれています。

生長過程で肥料を与えたり、美しい樹形を維持し、日当たりや風通しをよくするために剪定したり。日光を当て必要なときに水を与えて生育に適した環境を整えてあげることは、虫を寄せ付けないことや木が元気に育つことにつながります。落ち葉の掃除、また、雪の重みで枝が外側にひらくのを防ぐ冬囲いなど、手入れ・管理はずっと続きます。

たとえば個性的な姿をしているものなど、見た目からシンボルツリーを選ぶのは楽しいですが、「手入れが大変」「大きくなりすぎて手に負えなくなった」となると、撤去せざるを得なくなってしまいます。

選び方としては、前述したように生長後のこと、また、維持管理の部分も含め「長く愛せるように」と考えて選ぶのが大事なポイントです。

どんな樹木が人気？

樹木のタイプには、１本立ちと、根元から複数の幹が立ち上がった株立ちがあります。株立ちは１本ものよりもやさしい雰囲気を持ちます。

白やピンクの花、実も楽しめる「ヤマボウシ」、夏の短い期間にツバキに似た白い花が咲く「シャラ（別名ナツツバキ）」。すらりとした幹に小さな葉が集合し、軽やかな印象の「アオダモ」。これらは、シンボルツリーとして定番人気です。

落葉樹の足もとに、クローバーなどグラウンドカバー（地面を覆う植物）を組み合わせたり、外部からの視線を遮る役割を持たせたい場合は、目隠しに向く種類のコニファーをプラスしたり。収穫して楽しもうと、ブルーベリーなどをシンボルツリーとして取り入れるケースもあります。

わが家に根を張り、ともに毎日を過ごしていくシンボルツリーは、家族の特別な存在となってくれるでしょう。植える場所や土のこと、植え付けなど、検討する場合は専門家に相談するのが安心です。

取材協力：PEACE FLOWER WORKS

https://peace-flower.com