香害とは?柔軟剤や洗剤のにおいの問題を知ろう!対策方法も解説
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中澤 理恵2022.07.29
最近、耳にするようになった言葉のひとつに「香害(こうがい)」があります。
洗濯洗剤や柔軟剤(洗濯仕上げ剤)、芳香剤など自分にとっては好きな香りでも、ほかの人にとっては不快だったり、体質によっては健康にまで影響を与えてしまうというものです。
香害とはどんなものか、避けるための工夫にはどんなものがあるのか、考えてみました。
香害は柔軟剤も原因になる!?香害の原因や症状を知っておこう
世界的にも「清潔好き」と言われることの多い私たち日本人。
特に、日本では「いい香りがするかどうか」が「清潔さ」とイコールになっている感覚もあります。
合成洗剤や柔軟剤、制汗シートをはじめ、今の世の中には多くの「香り付き製品」があります。
昔の洗剤にももちろん香りはありましたが、ほんのりと石けんのにおいがする程度。
最近のものとはずいぶん異なります。
こうして香り付き商品が増えるなか、好きな香りで心を癒される一方、においによって悩みを抱える方もいることが分かってきたのです。
2018年6月と2019年6月には、シャボン玉石けんという無添加石けんのメーカー(北九州市)が新しい公害「香害」に関するキャンペーンを行いました。
大手新聞に全面広告を出したのが話題になったことを覚えている方もいることでしょう。
シャボン玉石けんのホームページでは、香料によって引き起こされる症状の例として下記のようなものが挙げられています。
- 頭痛
- 吐き気
- めまい
- 全身の倦怠感
- 発熱
- 関節痛
- 思考力の低下
- 目のかすみ
- 息苦しさ
- 食欲低下
今も苦しんでいる方も多い「香害」。
つらい症状から、学校や職場に行けなくなってしまった人もいます。
自分がいつも使っている柔軟剤の商品表示に記載された芳香の強さなどをチェックしたことはあるでしょうか?
知らぬうちに誰かを不快にさせているかもしれない香害の実態について、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。
香害は身近な問題。化学物質過敏症に苦しむ人への配慮を
実は私の身内にも化学物質過敏症の人がいます。
化学物質過敏症とは、多くの人が何も感じないほど微量の化学物質に反応し、頭痛や思考力の低下などの健康被害が出る病気です。
最近、耳にすることも増えた「化学物質過敏症」ですが、正確な診断をしてくれる病院というのは実際には数多くはありません。
その身内も、最初は原因不明の頭痛で寝込むことが続き、しばらくするうちに「なんとなく、洗剤のにおいが原因で不調になる気がする」と気づいたそうです。
周囲に協力を求め「におい」の問題を解決したところ、体調がよくなった…という流れでした。
オーナー様からも、においについてのお話を聞くことがあります。
「隣の家の洗濯物から、苦手な柔軟剤のにおいが流れてきてつらい」
「ペーパータオルやティッシュを買うと、買った時に、すでに倉庫で独特のにおいを吸ってしまっていてつらい」などなど…。
このような体験から、自分が好きな香りを楽しむ前に、次のようなことも考えてみる必要があるのではないかと思うようになりました。
◎自分にとって好きなにおいでも、ほかの人にとっては苦手なにおいの場合があること
◎人工的な香りの成分によって体調や健康に影響が出る「化学物質過敏症」の人もいること
◎抗がん剤治療中の方などのつらい症状を引き起こす原因となること
参考:響きの杜クリニック作成 「香料自粛のお願い」
香害への対策方法
生活する上でにおいをまったく嗅がないのは難しいため、患者さん自身の努力だけで症状を防ぐことが難しいのも香害のやっかいな点ではないでしょうか。
香害は、症状に苦しむ人も、周囲の人も、香りに対して配慮し対策することが必要です。
ご紹介する対策法は今日から実践できるものばかりですので、ぜひ参考にしてください。
無添加・無香料洗剤を使う
誰もが危険を被るリスクのある香害から身を守る対策方法として挙げられるのは、無添加・無香料の洗剤を使うこと。
シャボン玉石けんをはじめ、無添加・無香料の石けんや洗剤、柔軟剤を販売しているメーカー企業はいくつかあります。
無添加・無香料の洗剤では汚れがしっかり落ちるのか不安、という方もいらっしゃると思います。
実際に使用された方から「体や環境によいのは分かるけれど、どうも汚れ落ちが悪く、汗のにおいなどが残る」といった声が聞かれるのも事実です。
洗浄力に不安があるなら、おすすめしたいのが重曹やセスキ炭酸ソーダなど、100均でも手に入る自然派洗剤との合わせ技です!
無添加石けんや洗剤の洗浄力の弱さに不満を感じている場合は、汚れの種類ごとに下記の自然派洗剤をプラスしてみてください。
◎皮脂汚れが気になる→重曹またはセスキ炭酸ソーダをプラス
◎汗などのにおいが気になる→重曹をプラス
◎食べこぼしや汗ジミ、血液などの色残りが気になる→酸素系漂白剤(過炭酸ソーダ)をプラス
これで気になる汚れやにおいもスッキリ解決するはずです。
仕上がりがゴワつく場合には「薄めたお酢でリンスする」だけでふんわり仕上がるので、ぜひ試してみてくださいね。
アロマオイルのにおいにも配慮を
芳香器などでアロマオイルを楽しまれる方も多いと思いますが、アロマオイルには「薬効」もあるとされるほど、人の心と体に働きかけるもの。
「自然のものだからいくら使っても大丈夫」ということにはならないので、使い方や頻度にはご注意ください。
どんなにおいも身近に置き続けることで感覚が鈍るもの。
自分では気づかなくても、周囲の人にとっては強い香りとなっている場合もあるので、注意して使いたいものですね。
外出時についてしまったにおいは「蒸気」をあてて和らげて!
最後に、焼肉や香水、飲み会等で衣類についてしまったにおいの簡単な取り方をご紹介します!
においには「蒸気を当てると和らぐ」という性質があります。
その性質を利用し、おすすめしたいのがこの方法です。
◎スチームアイロンをあてる
◎昼間使った制服やコート類は、夜寝る前に浴室に吊るしておく
完全に…とはいきませんが、翌朝にはかなりにおいが和らいでいるので、ぜひ試してみてくださいね。
香り付き柔軟剤などによる香害はちょっとの一工夫で対策できる
香害とは、柔軟剤や洗剤、制汗シートなど、香り成分が含まれた製品のにおいによって引き起こされる公害のこと。
頭痛、吐き気、めまいなど、化学物質過敏症の方に症状が起こる原因になっています。
香害に配慮する方法としては、無添加・無香料の洗剤を使うこと。
洗浄力に不安がある場合は、重曹やセスキ炭酸ソーダなど、100均などで手に入るアイテムと合わせて使ってみてください。
洗剤以外にも、アロマオイルや服に付いた焼肉や香水などのにおいに配慮することも大切です。
自分の何気ない行動で不快になる人が少なくなるよう、ちょっとした一工夫を日常に取り入れてみませんか?
住まいや暮らしのお役立ちサイト「はれ暮らし」では、他にも使える情報をたくさん発信しています。
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- 記事を書いた人
- 中澤 理恵 ジョンソンホームズ メンテナンス部 ジョンソンレディ
この仕事を始めてから苦手だった掃除や片付けが楽しくなってきました♪お客様の心に寄り添いつつ、退屈なルーティンワークにも日々の小さな楽しみを感じてもらえるお手伝いができたら嬉しいです。