セントラルヒーティングの使い方。上手に使って暖房生活を快適にしよう!
生活
#セントラルヒーティング#冬#暖房#設備
神田 恵里2024.11.11
寒くて長い冬の間お世話になる暖房。気密性・断熱性の優れた今の一戸建住宅では、灯油やガスの暖房専用ボイラーを使ったセントラルヒーティングが広く採用されています。全室を24時間暖房するセントラルヒーティングは、家の中のどこにいても暖かいのが特長ですが、「どういう使い方をすればいいかイマイチわからない」という声もよく聞きます。快適な暖房生活を送るために、使い方の基本ポイントや注意点を押さえておきましょう。
セントラルヒーティングの効率的な使い方〜ボイラーとパネルヒーターの温度設定〜
セントラルヒーティングは、ボイラーで45〜70 ℃にお湯を沸かし、この温水を循環させ各部屋のパネルヒーターに巡らせることで、部屋を暖かくするシステム。ボイラー側で出湯温度の設定をして、パネルヒーターに取り付けられている目盛(サーモスタットバルブ)で室温を調整します。
では、セントラルヒーティングで効率よく部屋を暖めるポイントには、どんなことがあるでしょう。
一つは、各パネルヒーターの目盛を希望温度に設定したら、そこから変えずに、外気温に応じてボイラーの出湯温度を調整することです。
たとえば、部屋が暖まりにくいと感じたとき。パネルヒーターの設定温度をどんなに上げても、ボイラーの出湯温度自体が低い設定になっていると暖かくなりません。温水が家の中を循環している間に冷めていき、暖房効率は悪くなります。また、室温が設定温度にならないときも、出湯温度の設定が低いことが考えられます。
もう一つ大切なポイントは、部屋ごとの温度差をつくらずに家じゅうを同じ温度にすることです。
温度差ができると、室温の低い部屋が結露する原因にもなります。
セントラルヒーティングの設定は家やライフスタイルに合わせて
セントラルヒーティングの場合、暑すぎず寒すぎずの室温は20℃くらいといわれています。室温を20℃にするときは、ボイラーの出湯温度は最低と最高の真ん中に設定。パネルヒーターのほうも基本は目盛の真ん中にセットします(※ボイラーのコントローラー・パネルヒーターの目盛はお使いの機種によって形状や表示が異なります)。
とはいえ、快適だと感じられる温度は人それぞれ。ライフスタイルや、リビングに吹き抜けや階段があるかなど家のつくりによっても変わってきます。心地よく過ごせる温度を見つけてみてください。
MRTって?家の中のモノを使って体感温度をあげる
ここで、知っておいていただきたいのが、「MRT」です。
MRT(Mean Radiant Temperature、平均放射温度)とは、人間が周りの壁から受ける、熱放射による暖かさのことです。ざっくりいうと、壁、床、家具、など家の中にあるものの平均温度がMRT。
私たちが部屋にいて暖かいと感じるかどうかは、このMRTと室温の両方に左右されます。
たとえば、エアコンなどで冷え切った部屋を暖めると、温度計は22度なのに、テーブルや床がひんやりして全然暖かくない、ということがありますよね。
これは、室温はあがっているのに、部屋のモノの温度が低く、そこからの放射熱がないからです。
同じ室温22度でも、前日からずっとエアコンやストーブをつけていると、それほど寒く感じません。
空気は暖まりやすいですが、モノは質量があり、温まるのに時間とエネルギーがたくさんかかるのです。そのため、快適と感じる体感温度にするためには、室温を高めに設定し、時間をかけて部屋全体のモノの温度を上げていく必要があります。
これを式で表すと、体感温度=(室温+MRT)/2。室温とMRTの平均が、体感温度です。
私たちが「パネルヒーターはつけっぱなしに!」と言うのには、こういう理屈があったんです。
セントラルヒーティングの使い方は24時間運転が基本!
節約しようと、「部屋が暖まったから」「家にいないのにもったいないから」といってパネルヒーターのバルブを閉めてしまうと、当然ながら室温は下がります。寒くなってから暖房を入れても部屋が暖まるまでに時間がかかるため、節約したつもりが逆に光熱費がかさんでしまいます。セントラルヒーティングの使い方は、24時間運転が基本です!
帰省や旅行などで数日間空ける場合でも、暖房はつけたままに。温度を低めに設定し、つねに“保温”状態にしておきましょう。灯油ストーブ等を使ってきた人には、ずっとつけっぱなしでいることに抵抗感があるかもしれません。ですが部屋を一定温度で暖め続けることが、効率的な使い方なのです。
「セントラルヒーティング節約術!暖房開始のタイミングがポイント!」では、電気代節約につながるセントラルヒーティングの使い方のポイントをご紹介しています。
秋にセントラルヒーティングを付け始めるタイミングのおすすめや、セントラルヒーティングの暖房効果を高めるポイントなどをチェックしてくださいね!
セントラルヒーティングの一戸建てマイホームを検討中なら
“コールドドラフト”という言葉を聞いたことはありますか?
言葉を知らなくても、“頭のほうは暖かいけれど足もとが寒い”と感じたことはありませんか?
これがコールドドラフトといって、室内の暖かい空気が冷たい窓ガラスにふれて冷やされ、冷気となって床へと広がる現象です。
この現象を抑え、快適な室内の暖房環境をつくるには、パネルヒーターを窓下に設置すると良いでしょう。特に熱が逃げやすいのが、リビングなどの大きな掃き出し窓。庭に出られるようなこうした窓には、高さが低めのタイプのヒーターをおすすめします。
また、玄関のたたき(土間部分)を床暖房にすると、帰宅時に暖かいことはもちろん、雪外からの冷気を防ぎます。冬は雪で濡れた靴が自然に乾くのもメリットです。
今回は、セントラルヒーティングの特長を最大限生かすための基本ポイントをお伝えしてきました。寒い外から玄関を入って暖かいと、幸せな気持ちになりますね。上手に快適に暖房を使って、冬を元気に過ごしましょう。
基本的なことはやってみたけど、それでも寒い!と感じる。そんなときに試していただきたい方法については、「パネルヒーター暖房の使い方。冬の住宅でより暖かく過ごすには?」をご覧ください。
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- 記事を書いた人
- 神田 恵里 ジョンソンホームズ メンテナンス部 ジョンソンレディ
オーナー様にお会いし始めて 気が付けば15年が経ちました。暮しに少し寄り添わさせていただいて、『お役に立てているだろうか?』と思う日々です。
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