冬も換気は必要?暖かい空気を逃さず空気を入れ換える方法をご紹介!
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#メンテナンス#健康#冬
神田 恵里2022.07.29
「新型コロナウイルスやインフルエンザ対策のためにも、こまめな換気が必要と分かってはいても、冬を迎え、特に寒さの厳しい北海道ではどうしても億劫で…。」
そんなお声をよく耳にします。
そこで知っておきたいのが、室内の暖かい空気をできるだけ逃さずに外の新鮮な空気を取り入れるちょっとしたコツ。
今回は、冬だからこそ換気が必要な理由や正しい換気方法、暖房費を節約しながら効率的に換気をするポイント、24時間換気システムの正しい使い方をお伝えします。
快適な湿度を保つ方法についてもご紹介するので、ぜひ最後までチェックしてくださいね!
冬も換気が必要な理由
新型コロナウイルスの影響もあり、「換気が大切」という言葉を頻繁に耳にするようになりました。
ですが、寒い冬にわざわざ換気をする必要がある理由はあるのでしょうか?
実は、冬こそ換気が必要!
その理由を詳しく見ていきましょう。
換気で新鮮な空気を取り入れる
長時間換気をしない時間が続くと、湿気やにおいなどのほか、ほこりなどの汚れが空気中に蓄積されてしまいます。
とくに近年の住宅は気密性が高まっており、意識的に換気を行わないと汚れた空気がお部屋に蓄積されやすいといわれています。
汚れた空気の中で呼吸をしていると、健康面に悪影響が及ぶことも。
空気が室内にこもりがちな冬だからこそ、換気をすることで外の新鮮な空気を部屋の中に取り入れ、安心して快適に過ごせる環境を作ることが大切なのです。
湿気を出して結露を防ぐ
寒い日にずっと室内にいると、なんだか空気がむわっとしているように感じることはありませんか?
部屋の空気がむわっと感じる原因には色々ありますが、人の呼気や調理時の水蒸気などによって蓄積された湿気が大きな要因となっている場合も多いです。
この湿気をそのままにしてしまうと、寒い外と暖かい室内の温度差によって室内に結露が生じ、カビの原因となります。
カビがアレルギーの原因となったり、設備や建材、壁紙を傷めてしまったりする可能性もあります。
換気によって湿気を室外に出し、結露を防ぐことで、家族の健康はもちろん、住宅を守ることにも繋がります。
「結露の原因とは?対策を知って冬に備えよう!」で結露の原因と対策についてより詳しくご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください!
ウイルスや有害物質を外に出す
換気には室内と屋外の空気を入れ替えるだけでなく、室内にある古い空気やそこに含まれる汚染物質などを外に出す働きがあります。
ウイルスや細菌、花粉などが外から家の中に入ってくると、室内で空気中を舞ってあちこちに移動します。
とくにウイルスや細菌が室内で拡散してしまうと感染症などを引き起こす可能性もあり、重症化すると命の危険を伴う深刻な状態となることも。
さらに、部屋の中には繊維のくずやダニの死骸などによるハウスダストやほこりも舞っているため、それらの有害物質を部屋の屋外に出すためにも換気がとても重要です。
あるオーナー様からいただいたご質問に「エアコン暖房の場合、換気の必要はないのでは?」というものがありました。
残念ながら、エアコンに室内外の空気を入れ替える機能はありません(一部の高級機種を除く)。
室内の空気を暖め、循環させているだけです。
ほこりを巻き上げることもあるので、むしろ、換気の必要性がより高まると考えたほうがよいでしょう。
冬の換気方法をご紹介!節約方法や設備の正しい使い方もチェック
冬におすすめの換気方法をご紹介していきます。
暖房にかかる電気代の節約術や、24時間換気システムの正しく効果的な使い方などもチェックして、快適な環境を整えていきましょう。
換気の基本は2か所の窓を開けて空気を通すこと
季節に関わらず、換気の基本の方法は、空気が外から入ってきて室内を抜け、別の窓から室内の空気が外に出るという流れを作ることです。
窓を1か所だけ開けて換気をする人も多いかもしれませんが、部屋に2つ以上窓やドアがあるなら、2か所を開けて換気をするようにしましょう。
この時、可能であれば部屋の真ん中に建った時に反対同士にある窓やドアを開けるのがポイント。
部屋の真ん中に空気を通すことで効率的に換気できます。
また、風が入ってくる入口の窓は小さく開けて、出口になる窓は大きく開けておくのも上手な換気のコツ。
入口を小さくしておくと、入ってくる風の勢いがよくなるので、空気の流れを作りやすくなります。
「二段階換気」で暖かさをキープしたまま換気
換気の大切さは理解していても、「冬の北海道で頻繁に窓を開けるのは、寒くてつらい」とおっしゃるオーナー様も多く、私自身も同じように感じています。
暖かい空気をなるべく逃がさずに換気するためにおすすめしたいのが「二段階換気」という方法です。
1.人のいない部屋の窓を10分程度開け、部屋の扉は閉じておく。
2.窓を閉め、換気が済んだ部屋の扉を開ける。
3.2で新しく扉を開いた部屋の窓を、10分程度、少し(5㎝程度)開ける。
これを1時間に1回行うことで、それほど寒さを気にすることなく室内の空気を入れ替えることができます。
寒冷地では特におすすめの方法ですので、ぜひ試してみてください。
電気代の節約には暖房をつけてから窓を開けて換気がポイント
冬は暖房にかかる電気代も気になりますよね。
エアコンやストーブの暖房費を節約して効率的に換気するポイントもご紹介します。
外出から帰って来た時に暖房をつける前にまず窓を開けて換気するのと、先に暖房をつけてある程度部屋が暖まってから窓を開けるのとでは、どちらが節約になるでしょうか。
答えは後者、「先に暖房をつけて、ある程度部屋が暖まってから窓を開ける」です。
暖房をつける前に窓を開けて外の冷たい空気を室内に入れると、壁や窓がいっそう冷え切ってしまい、なかなか室温が上がらなくなってしまうので注意しましょう。
ちなみにセントラルヒーティングを利用している場合は、秋口に暖房をつけたら春までつけっぱなしにするのが電気代節約の面でも効率的です。
「セントラルヒーティング節約術!暖房開始のタイミングがポイント!」では、他の暖房器具を併用するタイミングや設定温度の目安などもご紹介しています。
ぜひあわせてご覧ください!
24時間換気システムは正しく使い窓も開けて換気を
現在の住宅は、ほとんどが24時間換気システムを採用しています。
「24時間換気システムがあっても、窓を開けて換気する必要があるのですか?」と聞かれることも多いのですが、窓を開けた換気も併用するのがベターです。
まず、せっかくの24時間換気システムも、正しく使えていなければ意味がありません。
正しい使い方ができているか、チェックしてみましょう。
- 外気取入れ口(吸気孔)は閉じない
- 外気取入れ口のフィルターを清潔に保つ
- 室内の空気の吸引口にホコリがたまっていたら、掃除機やハンディモップなどで掃除する
- 天井裏にある、24時間換気システムのドラムも年1回は掃除をする
最後に挙げた「天井裏のドラム」については、メーカーによってお手入れの方法が異なります。
ユーティリティの天井には約50㎝四方の点検口があり、そこに説明書きがあるのが一般的なので、一度確認してみてください。
メーカー・機種によって、自分でできる場合と、専門業者への依頼が必要な場合とがあります。
24時間換気システムのドラムの掃除が自分でできる場合は、次の3ステップでお手入れをしましょう。
点検口を開けます。市販のドライバーでOK
このようなドラムが入っています
優しくほこりをとります。けっこう溜まっています
以上のポイントに注意して24時間換気システムが正しく使えている場合でも、やはり時には窓を開けて新鮮な空気を直接取り込む時間を作るのがベター。
30分に1回、次のような換気を組み合わせれば安心です。
1.キッチンの換気扇を回す
2.換気扇からできるだけ遠い位置にある窓を、5分程度、少し(5㎝程度)開ける
24時間換気の役割や止めてはいけない理由、より詳しいメンテナンス方法については「24時間換気を止めるとどうなる?寒い時も必要な理由を解説!」もご覧ください!
冬は換気以外にも湿度調整で快適に
換気同様、冬場に注意しなければならないポイントに「湿度管理」があります。
湿度が低すぎるとウイルスの活動を活発にしたり、ノドの抵抗力を弱める原因になりますし、高すぎれば結露や黒カビ発生の原因につながります。
一般に「適切な湿度は40~60%」と言われますが、結露が問題になりやすい北海道では、湿度40~50%の範囲がベストだと思います。
適切な湿度を維持するための方法として、まず考えられるのは加湿器の使用です。
ただし、24時間換気システムと同じように、加湿器にも正しいお手入れが欠かせません。
特に「ウイルス対策」「花粉対策」など、最近の高性能、高機能家電には、しっかりとしたメンテナンスが必要となる場合も多いもの。
説明書をよく読んで、正しい使い方を心がけましょう。
加湿器がない場合でも、次のような生活の工夫で湿度を挙げることができるので参考にしてください。
- 洗濯物を各部屋に干す
- 霧吹きで、空気中の水分を補う。面積の広いカーテンに水分を含ませるのもよい
- 床を雑巾がけ(水拭き)する。窓を水拭きしたり、冷蔵庫を濡れ布巾で拭くのもよい
- 料理をして水蒸気を出す。特に鍋物はおすすめ!
- 観葉植物を置いたり、花びんに花を生ける
- お風呂上りに浴室の換気扇を回さず、浴室の扉を開け放す
最後の「浴室の扉を開けておく方法」は、浴槽にお湯を入れっぱなしの状態では、湿度が上がり過ぎることもあるので要注意。
扉を開けておくことで浴室内の天井、壁、鏡などに水滴がつきやすく、結露しやすくなります。
タオルで拭いたり、水切りワイパーで水滴を取り除くようにしましょう。
冬にも換気は必要!正しい換気方法で暖かく効率的に
寒い冬はついつい窓を閉め切って室内にこもりがちになりますが、そんな時こそ換気が大切です。
こまめに換気をすることで新鮮な空気を取り入れ、湿気や有害物質を外に出すことができ、健康や住宅を守ることに繋がります。
換気の基本は窓を2か所開けて空気の流れを作ること。
空気が入ってくる入口を小さくしておくと勢いが増し、より流れを作りやすくなります。
冬の寒い日や寒冷地では「二段階換気」をすると、部屋の暖かい空気をキープしたまま換気ができます。
暖房費を節約するなら、部屋を温めてからの換気がおすすめ。
24時間換気システムを稼働させている場合でも、窓を開けて換気するようにしましょう。
また、冬は湿度調整も重要なポイント。
加湿器や霧吹きなどを使って適度な湿度を保ち、健康で快適に過ごせる環境を作りましょう。
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- 記事を書いた人
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