アリの種類は一つじゃない!家への侵入を防ぐ方法、効果的な退治方法とは?
生活
#一戸建て#夏#害虫対策#庭
佐藤 恵2021.06.16
春から夏にかけて「家のなかにアリの行列が…」というお悩みを抱えるオーナー様が多くいらっしゃいます。アリについては以前の記事(新築なのに家の中にアリが!?戸建て住宅でのアリ駆除方法)でもお伝えしましたが、今回は少し角度を変え、アリの種類、家のなかへの侵入を防ぐ方法、退治法についてお伝えします。
一言で「アリ」と言っても種類はたくさん。全体の9割近くは「雑食性」
アリが特に活発に活動するのは「気温が25度以上で湿度が高い日」と言われます。北海道でも、最近は初夏に湿度が高くなることが多く、オーナー様からアリに関するお悩みをお聞きすることがよくあります。
ところで「アリ」と一言でいっても、非常に数多くの種類があるのをご存じでしょうか。
そのなかでも大きく「雑食性」「吸蜜性」「その他」の3種類に分けることができます。
- 雑食性のアリ:虫やミミズ、甘いもの、油ものなどを好む。全体の約88%
- 吸蜜性のアリ:花の蜜や、植物につくアブラムシなどを好む。全体の約8%
- その他:どちらにも属さないもの。全体の約4%
アリ対策として「甘いものを出しっぱなしにしないようにしている」とおっしゃる方も多く、もちろんそれも大切ですが、それだけではやはり不十分なのです。
クロオオアリ
イエヒメアリ
クロヤマアリ
要注意。家の周りの湿った木材がありを呼んでいるケースもあります
多くのアリは体長2ミリほどと非常に小さく、建物のちょっとしたすき間から家のなかに入ってきます。そのほか、玄関から人が出入りするときに入ってしまったり、外からの荷物についていたり、外に置いてあった植木鉢を室内に入れた時にも入りやすく、どんなに防いだつもりでもなかなか防ぎきれません。
アリは湿気の多い場所、土が柔らかい所を好みます。
家の周りが雑草だらけだったり、家の近くに腐りかけの木材を放置しているのは、アリを呼ぶ原因に…。点検し、問題があれば改善しましょう。
ガーデニング素材として最近人気の「枕木」が傷み、アリを呼んでいるケースもあります。
「近ごろ急にアリをよく見かけるようになった」という場合、近くで環境の変化があったケースも多いものです。例えば「外構工事をした」「お隣の家が草刈りをしたり、柵を立てた」「近所で新築工事をしている」といった場合には、急にアリが増えることも。
こういった時には、どうしても、ある程度落ち着くまで様子を見るしかありません。
アリ退治の効果的な方法。殺虫剤の使用法はよく説明書を確認しましょう
次にアリ退治の方法についてお話しします。
屋内への侵入を防ぐには、春先に家の周りにアリよけの薬剤を撒いておくのがベスト。
ただし、多くの方が思っているより効果の持続期間が短いものが多いので(2週間程度)、注意書きを読んでこまめにまくことも大切です。
雨が降ると効果が落ちるため、晴れの日が続きそうなタイミングでまくようにしましょう。
オーナー様からよく「『アリの巣コロリ』を置いたけれど効かなかった」というお話をうかがいます。
「アリがエサと間違えて薬剤を巣に持ち帰ることで巣ごと全滅させる」というこのタイプの殺虫剤の使い方には、ちょっとしたコツがあります。
- アリは警戒心が強いので、1度置いたら1週間~10日程度は場所を動かさない。
- 「雑食性」と「吸蜜性」、両方に効果があるものを選ぶ。
- 置く場所は、雨や直射日光が当たる場所を避ける。
どの殺虫剤にも言えますが、注意書きをしっかりと確認することで、より効果的な使い方ができます。
アリの巣を見つけることができたら、巣の中に向かってスプレーや液状の殺虫剤を流し込むのも効果があります。
「殺虫剤を使いたくない」。 そんな方にはこんな方法もあります
薬剤を使うのに抵抗がある場合は、次のような方法もあります。
- お湯を使う
巣を見つけた場合、熱湯を流し込むことで、アリを巣ごと退治することができます。
- 重曹を使う
砂糖と重曹を1:3の割合で混ぜ、アリの通り道に置くと「アリの巣コロリ」などの代用になります。
ちなみにネット情報でよく見かける「輪ゴムを置く」「チョークで線を引く」という情報を、私、佐藤が試してみたところ、あまり効果は感じられませんでした…。
また「掃除機で吸い取る」という方法もおすすめできません。あるオーナー様が、家の中のアリを掃除機で吸い取ったところ、かなりの数のアリが掃除機から出てきてしまったとか…。
アリの体はとても小さいためそのようなことが起こります。掃除機ではなく、ウェットティッシュや濡れ雑巾などで拭き取るようにしましょう。
アリが仲間を呼び寄せる「におい」を消すことも忘れずに!
アリは、エサがある場所やその場所にたどり着くまでの道筋に「蟻酸(ぎさん)」と呼ばれるフェロモン、つまり「におい情報」を残して仲間を呼び寄せます。アリが行列を作る目印となるのもこの蟻酸です。
これを消さない限りアリの仲間が呼び寄せられてしまうため、蟻酸を消すこともとても大切となります。
そのため、家の中でアリを見つけたときには、退治するだけでなく通り道もしっかりと拭いてください。酢やアリが嫌う柑橘系の香りの液体などで拭けば効果が高まります。
化学薬剤を使わず、天然成分だけで作った「黒アリバイバイ」というアリ除け(忌避剤)もネットなどで販売されていて、ジョンソンレディの間で好評です。
アルコールスプレーも効果がありますが、無垢材への使用はNG。無垢材のお宅では、濡れ雑巾やウエットタイプのフローリングシートを使うようにしましょう。
地上にいるアリは、実は全体の3%程度。つまり、3匹のアリを見かけたら、地下には97匹のアリがいるということ…。考えるとちょっと怖くなってしまいますね。
根絶するのはなかなか難しいものですが、根気よく頑張っていきましょう!
- 記事を書いた人
- 佐藤 恵 ジョンソンホームズ メンテナンス部 ジョンソンレディ
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