「トレンドカラー」って何? 住まいのインテリアに上手に取り入れる方法は?
インテリア
#アイテム#インテリア#コーディネート#ショップ
郡 真由美2022.07.30
今年の「トレンドカラー」は?!色選びの基本を解説!
「今年流行るのはこの色!」というフレーズを聞き、気になった経験のある方も多いことでしょう。
「住まいにトレンドカラーを取り入れたい」一方で「住まいの色選びをどうしたらよいのか分からない」という方も多いものです。
そこで今回は当社のインテリアコーディネーターが、トレンドカラーとは何か、住まいに上手に取り入れる方法のほか、住まいの色選びの基本となる考え方について解説します。
トレンドカラーとは、社会状況を反映して人(特定機関)が決めるもの!
インテリアコーディネーターの郡です。
新築住宅のインテリアコーディネーターとして、家のデザインと合わせお客様のライフスタイルを想像しながらインテリアのご提案をしています。
今回は「トレンドカラー」とインテリアについて、お話をしていきたいと思います。
そもそも「トレンドカラー(流行色)」っていったいどうやって決まるんだろう?と疑問に思われる方もいることでしょう。
実はトレンドカラーというのは自然に決まっていくものではなく、特定の機関が決めているものです。
トレンドカラーを決める機関にはいくつかあり、有名なものは「インターカラー(国際流行色委員会)」という民間団体。
世界17カ国から集まったメンバーが年2回集まり「2年後に流行らせたい世界的な色」を決めます。
ファッションだけでなく、化粧品、工業製品などさまざまな産業に影響を与えるためので、こんなに早く決めないと間に合わないのです。
これとは別に、実際の流行や市場動向などを分析して「トレンドカラー」を発表するのがアメリカの色見本会社「パントン社」。
毎年12月頃に翌年のトレンドカラーとして「パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー」を発表します。
パントン社が2022年のトレンドカラーとして予想したのは「Very Peri(ベリーペリー)」という色。
紫がかった淡いブルーで、クールさのなかにも温かみ、力強さを感じさせる色です。
実際の色を見てみたい!という方は、こちらで確認できます;
https://www.pantone.com/color-of-the-year-2022
国際的なトレンドカラーとは別に、日本のトレンドカラーを選定するのは「JAFCA(日本流行色協会)」です。
毎年12月に一般投票でその年を象徴する色を決めるほか、独自の調査や社会動向の分析に基づいて翌年のトレンドカラーを選定します。
JAFCAが選んだ2022年の色は「Jolly Coral(ジョリーコーラル)」。
赤みと蛍光色を帯びた鮮やかなオレンジ色で、コロナによる活動制限などの長いトンネルを抜け活動的な社会が戻ってくるという意味合いも込められているようです。
色には大きな「心理的効果」があることが分かりますね。
JAFCAではシーズンごとにテーマを設け、「レディース」「メンズ」「プロダクツ&インテリア」それぞれについてのトレンドカラーも発表しているので、興味のある方はぜひホームページをのぞいてみてください。
https://www.jafca.org/colortrend/
トレンドや遊び心は「アクセントカラー」で活かしましょう!
インテリアの世界では、このようなはっきりした色の流行はなく、基本的にベースとなるのはニュートラルカラーです。
ニュートラルカラーは無彩色とも呼ばれ、インテリアやアパレルなどの世界では、黒、白、グレーのほか、周辺色となるベージュ、アイボリー、淡いカーキなども含みます。
昨年のベースカラーにはグレーが人気でしたが、今年に入ってからはアイボリーやベージュが好まれる傾向で、柔らかさ、温かみ、安心感といったものが求められているのかなと感じています。
流行に関係なく安定的に使われるニュートラルカラーですが、家全体を考えた場合、これだけでは短調になりがち…。
そこで覚えておいていただきたいのが、次の3つのワードです。
・ベースカラー(基調色)
・アソートカラー(従属色)
・アクセントカラー(強調色)
この3つをバランスよく取り入れるには「ベースカラー:アソートカラー:アクセントカラー」の割合を「70%:25%:5%」にするとよいと言われます。
ベースカラーは床、壁、天井、アソートカラーは家具、建具、カーテン、ラグなど、アクセントカラーはクッション、ソファーカバー、絵画(アート作品)、雑貨などと考えるのが一般的。
ベースカラーとアソートカラーは無難で落ち着きのある同系色を選び、アクセントカラーは「部屋のテーマとなる色」を決めてその中でそろえると失敗がありません。
冒頭でお話ししたトレンドカラーを住まいに取り入れるには、アクセントカラーがおすすめです。
お洒落感を演出できる上、何年かたって流行が変わった時には交換しやすくなります。
心理効果や季節、色の持つ特性を意識した色選びで生活を楽しんで
住まいの色を考える上で、知っておくとより色選びがしやすくなるいくつかのポイントがあります。
私たちが色選びをする時、意識するポイントには次のようなものがあります。
- 心理効果
赤ならば「元気」「活動的」、青ならば「冷静」「集中」といったイメージがありますが、これらは色が持つ心理効果です。
その空間にいる時に、どんな気持ちでどう過ごしたいかによって、適した色が変わります。
色の持つ心理効果は非常に奥深く、調べれば調べるほど、さらに深く学びたくなる興味深い世界です。
- 季節
アクセントカラーに季節を感じる色を取り入れることで、より生活が楽しくなります。
春には花や若葉をイメージさせ気持ちを活動的にしてくれる黄色、薄緑、夏には海を思わせる涼し気な青や白、濃い緑…といった具合いです。
私たちは、オープンハウスの小物選びなどにもできるだけ季節感を取り入れるようにしているので、ご訪問の際にはぜひ目を留めていただけたら嬉しいです。
- 自然界にある色(アースカラー)
木々を思い出させる緑、空を思い出させる青、土を思い出させる茶色やテラコッタなど、自然界にある「アースカラー」が流行り出したのは1970年代。
安心感や癒し、居心地のよさを感じさせ、トレンドに関係なく人気がある王道の色です。
最近のオーナー様との打ち合わせでは、特にグリーンが人気があります。
- 膨張色VS収縮色
明るい色は膨張色と呼ばれ、のびのびと広がるイメージがあります。
それに対し暗い色は収縮色と呼ばれ、引き締まったイメージを与えます。
これを利用して壁の色より天井の色を明るくすると高く見え、開放感を感じさせることができます。逆に壁の色より天井の色を濃くすれば、天井が低く見え落ち着きを感じさせることができます。
これと似た概念に、赤や黄色などの暖色は前に迫ってくる「進出色」、青や紫などの寒色は後ろに引いて見える「後退色」と呼ぶ、というものがあります。
それほど極端に大きな効果はありませんが、部屋の壁4面のうち1面だけを寒色にすることで、部屋を少しながら広く見せることができます。
無難なのは同系色での色選び。上級者なら反対色でインパクトを狙うのもアリ
最後に配色、つまり色の選び方、並べ方についてお話ししましょう。
色を並べる時、圧倒的にやりやすいのは「同系色でまとめる」というものです。類義色でまとめるのも無難ですね。
「類義色」というのは「色相環」で隣同士にある色のことです。
それに対して色相環で反対にあるのが補色。
反対色をうまく組み合わせると鮮やかでインパクトが感じられ、いわば「上級者テク」となります。
使いこなすのは少々難しいですが、間に違う色、特に白や黒、グレーをはさむと馴染みやすくなりますよ。
「インテリアのお手本を実際に見たい」 そう思った時にはザ・ジョンソンストアへGO!
今回は色についてお話しししましたが、普段私たちインテリアコーディネーターがどんなことを考えながらオーナー様と打ち合わせさせていただいているかを知っていただく参考になれば嬉しいです。
そしてジョンソンホームズの直営店であるジョンソンストアでは、トレンドカラーを取り入れたインテリアや雑貨などをたくさん、店頭で販売しています。
「実際にどんなものがあるのか見てみたい」「色の組み合わせ方、季節感の演出の仕方を知りたい」という方は、ぜひお店を訪れてみてください。
インテリア選びや模様替えなどで困られている方はお気軽にスタッフにご相談くださいね。
■The JOHNSON STORE(ザ・ジョンソンストア)
札幌市中央区南1条西6丁目4-1
- 記事を書いた人
- 郡 真由美 ジョンソンホームズ インテリアコーディネーター
スイーツ(特にチョコ)を食べているときやゴルフをしているときが幸せな時間。
仕事のやりがいはお客様と打ち合わせでお話をしていく中で、お客様好みの提案がぴったりと合ったとき喜びを感じれる瞬間です。
そして、なによりお家に住んでから楽しく笑顔で過ごされていることを知った時がとてもうれしく思います。