コーヒー焙煎士に聞く!家でおいしいアイスコーヒーを淹れる方法
たべる
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佐藤 京兵2022.08.30
おうちでおいしいアイスコーヒーを飲みたい。自分で淹れてみたい。
そう思っても、なんだか難しそう…というイメージをもつ人は少なくないはず。
そこで、この記事では珈琲焙煎士が、自宅で手軽に、いつもよりおいしいアイスコーヒーを楽しむための淹れ方を紹介します。
手順やポイントに加えて、コーヒーにまつわるいくつかの基本的なことも押さえておきましょう。
ペーパードリップで淹れる、急冷式アイスコーヒーのレシピ
“手軽に、いつもよりおいしく”をテーマに紹介するのは、急冷式のアイスコーヒーの淹れ方。
熱いお湯を注いで抽出したコーヒーを、氷で一気に冷やすという急冷式。
この方法は、すっきりとした味のアイスコーヒーができるのが特徴で、すぐに冷えるので、飲みたいときにつくって、すぐに飲めるのがいいところ。
ちなみに、コーヒーと水を使用する水出しコーヒーは、時間をかけて抽出する分、しっかりと味が出ます。
急冷式アイスコーヒーのレシピ
ホットコーヒーを淹れるときと同じ粉の量に対して、湯量は少なく。
抽出量を減らすことで、氷で急冷してちょうどいい濃さのアイスコーヒーをつくります。
【用意するもの】
◆1人分
- コーヒー(中細挽き):15g ●熱湯:140g ●氷:60g
○サーバー(またはグラス)○ペーパーフィルター
○ドリッパー ○デジタルスケール(計量器)
【淹れ方】
①ドリッパーにペーパーフィルターをセットしてコーヒーの粉を入れ、氷を入れたサーバーに載せる。
②スケールの上に①をセットしてお湯を注いでいく(スケールの目盛りを0(ゼロ)にしてスタート)。目盛りが20gになるまでお湯を注いだら、30秒間蒸らす。
③次は40gのお湯を注ぐ。30秒かけて目盛りが60gになるまで注ぐ。
④同様に40gのお湯を注ぐ。30秒かけて目盛りが100gになるまで注ぐ。
⑤最後に40gのお湯を注ぐ。30秒かけて目盛りが140gになるまで注ぐ。そのままコーヒーが落ちきったら、よくかき混ぜて出来あがり。
氷を入れたグラスに注いでいただきます!
[2人分以上淹れる場合は?]
コーヒー:1人分の分量(15g)に10gずつプラス(2人分25g、3人分35g…)
熱湯:1人分の分量(140g)に増える人数分をかけ算(2人分280g、3人分420g…)
氷:1人分の分量(60g)に増える人数分をかけ算(2人分120g、3人分180g…)
抽出時間は1人分の淹れ方と同様です(注ぐお湯の量はかけ算)。
おいしく淹れるためのポイント
アイスコーヒー、ホットコーヒーに共通する、おいしく淹れるためのポイントは次の通りです。
●豆(粉)の量 ●お湯の温度 ●抽出時間
これらに気をつけること、そしてしっかり「はかる」ことで、安定した味になります。
使用する豆の量によって抽出時間は変わりますが、1人分なら目安として1分半〜2分程で終わらせるのがおすすめ。
今回紹介したアイスコーヒーの淹れ方では、挽いてある粉を使っていますが、豆のまま買って飲む直前に挽くと、よりおいしさがアップします。
使う豆でお湯の温度を変えるのもポイント。詳しくはあとにお伝えします。
コーヒー豆選びのヒント
コーヒー豆にはたくさん種類があり、選ぶといってもどうやって選んだらよいのでしょう。
コーヒーは「ブレンド」と「ストレート」に大別され、ストレートは「シングル」とも呼ばれます。
- ブレンド:2つ以上の生産国の豆からつくられたコーヒー。個性の異なる豆を混ぜ合わせることで、新たな味わいを生み出すことができる。
- ストレート(シングル):ひとつの産地の豆でつくられたコーヒーで、味の特徴がわかりやすい。たとえば、「エチオピア」や「ブラジル」がそう。
焙煎という工程を経て、コーヒーの生豆は焼き色のついた豆に。
焙煎の度合いは大きく分けて「浅煎り」「中煎り」「深煎り」の3段階。この度合いによって酸味や苦味のバランスが変化し、また、抽出に適したお湯の温度があります。
- 浅煎り:苦味はなく、酸味がある。アイスコーヒーに使うと、酸味がさわやかに感じられる。麦茶やアイスティーのように、サッとごくごく飲みたいシチュエーションにおすすめ。
- 中煎り:苦味・酸味のバランスが取れた焙煎度。
- 深煎り:酸味は少なく、しっかりとした苦味と重たさがある。アイスコーヒーを読書のおともになど、ちょっと時間をかけて飲みたいシチュエーションにおすすめ。牛乳を入れてカフェオレを楽しみたいときにも深煎りを。
豆の挽き目は、ペーパードリップ用では「中挽き」が基本。
そしてコーヒーを淹れるお湯の温度の目安は、浅煎り豆が95度くらい。深煎り豆は高温のお湯だと苦味が際立つため、低めの80〜85度で淹れると、まろやかさ、コクや甘みを感じやすくなります。
豆選びについて、また、アイスコーヒーにおすすめの豆を選ぶには、まずは自分の好みの味を知ることです。
いろいろと飲んでみて、好みを見つけてみてください。
そのうえで、自分の生活スタイルに合わせて洋服を選ぶように、コーヒー豆もシチュエーションに合わせて選んだり使い分けたりできるといいですね。
アイスコーヒーにおすすめの豆は、シングルで挙げるとエチオピアがそのひとつです。
ストロベリーのような香りがあって、爽やかで暑い日におすすめです。
迷ったら、さっぱりしたのが飲みたい、庭仕事の合間にゆっくり飲みたいなどお店のひとに伝えて、アドバイスをもらうといいですよ。
どうすればいい?おいしく飲みきるコーヒー豆・粉の保存方法
コーヒー豆は焙煎すると、そこから状態が変化していきます。
そのため、焙煎されてからあまり時間が経っていない豆を購入し、なるべく早く飲みきるのが理想的です。
よりこだわっておいしさを求めるなら、焙煎後2週間以内の豆を買えるのがベストで、それを1カ月以内に飲みきるのがいいでしょう。
でも、あまり期間にとらわれず、思いだしたときに焙煎後の新しい豆を買ってみるとか、たとえば、仕事をしながら飲む“いつものコーヒー”はこれ、頑張ったご褒美に休日に飲むコーヒーはこれ、といった感じで、コーヒーと気楽に付き合ってほしいですね。
ところで、おうちで淹れたコーヒーが、酸っぱく感じる…といった経験はありませんか。
それはコーヒーが本来もつ酸味ではなく、豆の劣化によるものとも考えられます。
コーヒー豆・粉の保存で気をつけたいのは、空気に触れさせないようにすること。
空気に触れると酸化が起こり、風味や香りが損なわれてしまうからです。
また、豆を粉に挽いた瞬間が一番空気を吸うということから、あらかじめ挽いてあるコーヒー粉は、豆よりも早く飲みきりたいものです。
1週間程度で飲みきる場合は常温保存を。直射日光、高温多湿になる場所は避けます。
同じ量でも飲みきるまで2〜3週間かかりそうなら、冷蔵庫か冷凍庫へ。
密閉性に加えて、ほかの食品からのにおい移りを防ぐためにも、チャック付きの保存袋を二重使いし、購入した豆(粉)袋のまま保存袋に入れて保存します。
焙煎した豆はほとんど水分をもたないので、冷凍庫保存でも凍りません。使うぶんだけを都度取り出すようにします。
自宅でおいしいアイスコーヒーを楽しむための淹れ方をはじめ、コーヒーにまつわる基本的なことをお伝えしました。
さっそくおうち時間に淹れてみませんか。
<編集部より>
ジョンソンホームズでは先日、ジョンソンホームズのアンバサダーさんに向け、ワークショップを企画。佐藤さんを講師に、みんなで「おいしいアイスコーヒーの淹れ方」を体験しました。インスタグラムにてアンバサダーさんによる投稿や、実際のオーナーさまの暮らしの様子を見ることができます。「#ジョンソンホームズの暮らし」から、ぜひ、のぞいてみてください!
また、ジョンソンホームズのインテリアショップ「ナチュリエスタジオ」では、オリジナルブレンドのコーヒーを販売しています。苦味が特徴のコーヒーで、豆と粉どちらもご用意しています。お気に入りのおうちカフェアイテムも探してみてくださいね。
https://www.naturiestudio.jp
インスタグラム @naturiestudio
https://yukcoffeeroastery.stores.jp
インスタグラム @yukcoffeeroastery
- 記事を書いた人
- 佐藤 京兵 コーヒーブランド「yuk(ユク)」代表 / 珈琲焙煎士
長くコーヒー業界に携わる焙煎士が立ち上げた、カフェインレスコーヒーの焙煎を手がけるコーヒーブランド「yuk(ユク)」。いつも飲むコーヒーだから、からだにやさしいものを、との思いで、カフェインを取り除いたカフェインレスコーヒーを選択肢として提案。バリエーション豊かなラインナップで、品質にこだわったコーヒーを札幌のアトリエからお届けしています。