「環境に優しい洗剤」を使いませんか?5つの自然派アイテム
掃除・お手入れ
#お手入れアイデア#お風呂#キッチン#トイレ#水回り#洗濯
中澤 理恵2023.04.23
台所や住まい、お風呂で使う洗剤、シャンプー類。
私たちは日々の生活でさまざまなものを使います。
ふと立ち止まって、50年後、100年後に子どもや孫たちが暮らす環境を考えた時、「これでいいのかな?」と思うことはありませんか?
今回は「自然環境への影響を最小限に抑える洗剤選び」について考えてみたいと思います。
これさえあれば!環境に優しい「セスキ」「クエン酸」「酸素系漂白剤」「アルコール」
こんにちは。中澤です。
札幌のハウスメーカー「ジョンソンホームズ」で家を建てたオーナー様のお宅を巡回する「ジョンソンレディ」というスタッフをしています。
お掃除の仕方や家の収納など、暮らしのノウハウを皆さんにお知らせしています。
私自身も肌が弱く、子どもが化学物質過敏症だったこともあり、以前から洗剤選びに関心を持ってきました。
いろいろ本を読んだり情報を集めるなかで特に印象的だったのは「ヨーロッパの母親には、50年後、100年後を考えて洗剤や化粧品を選ぶ人が多い」ということ。
今の世の中で一般に使われている洗剤の多くは「合成洗剤」と呼ばれ、汚れ落ちのよさを最優先して作られたもの。
台所用、住居用、洗濯用などさまざまな洗剤がありますが、どれも「複雑な化学成分が含まれ、自然に還りにくい=環境に大きな影響を与えるもの」となっています。
汚れを落とすために必要な「界面活性剤」は、石油など人工的に作られた化学成分が多いです。
化学成分が合成されて作られたものは、生活排水として排水されたあと分解されず、海や川、地球環境を汚してしまうことにつながります。
また、多くの合成洗剤に、合成香料や着色料・保存料、酸化防止剤などの添加物が含まれていることも、人の体や環境に影響があります。
今回私がおすすめしたい4つの洗剤(+石けん)は、自然にある素材から作られたシンプルな成分で、環境への影響も最小限に抑えられています。
これさえあれば、日常生活の汚れはしっかり落とせる、という4つのエコ洗剤はこちらです。
- セスキ炭酸ソーダ
- クエン酸
- 酸素系漂白剤
- アルコール
これに「石けん」を加えた計5つのアイテムさえあれば他の洗剤はいらない、というのが私の考え。
しかも、どれも100均でも手軽に手に入れられるアイテムばかりです。
環境に優しい「自然素材の洗剤」のメリット
自然素材の洗剤のメリットは以下の通りです。
- 植物由来の成分で環境に優しい
- 生分解性(物質が微生物などの作用により分解する性質)が高く、再生可能な成分になっている
- 肌が弱い方でも安心して使える
- ボトルやパッケージもエコなものが多い
- 泡立ちが少ないので、洗い流す水が少なく経済的
自然素材の洗剤でお掃除をしやすくするコツ
自然素材の洗剤を使う時、まず大切なことは「普段からこまめに掃除をしておく」こと。
放置してガンコにこびりついてしまった汚れは、自然素材の洗剤だけでは落ちにくい場合があります。
頑張り過ぎる必要はありませんが、普段から「使ったものはさっと拭く」を習慣づけ、キレイな状態を維持できるとよいですね。
お掃除前に汚れの特徴を知っておこう!〝5つの最強アイテム〟の使い分け・使用方法
お掃除や洗濯などをする前に、まずチェックしておきたいことは「汚れの特徴を知り、アイテムを使い分ける」ことです。
汚れはおおまかに「酸性」「アルカリ性」の2種類に分けられることを覚えておきましょう。
汚れ落としの基本は「中和」。
酸性汚れはアルカリ性洗剤で落とし、アルカリ性汚れは酸性洗剤で落とします。
【酸性汚れの主なもの】
脂・タンパク質に由来する汚れ(手垢、湯垢など)
【アルカリ性汚れの主なもの】
カルキ・水垢、尿・尿石、石けんかす
ちなみに、健康な人の肌は弱酸性。アルカリ性洗剤にくらべ、弱酸性の洗剤のほうが手荒れを起こしにくい理由はここにあります。
環境に優しい洗剤の使用方法
それぞれの洗剤の活用法と主な用途について見ていきましょう。
1.セスキ炭酸ソーダ
強いアルカリ性の性質を持つセスキ炭酸ソーダ。
アブラ汚れ、タンパク質、血液などをすっきりと落としてくれます。
お店に並ぶ商品にはだいぶ価格差がありますが、酵素が入っているかいないかの差であることが多いようです。
酵素入りのものは、価格が高めですが洗浄力が強く、特に衣類を真っ白に洗い上げてくれます。
窓ガラスなどについた手の跡もすっきりキレイになりますが、水拭きをしておかないと、白残りが気になる場合も。
【主な用途】
- 浴槽、洗面器などの湯垢
- 洗濯
- 便器の黒ずみ
- 窓ガラスやドアについた手の跡
「換気扇掃除は「セスキ炭酸ソーダ」で油汚れをスッキリ!」も参考にしてみてくださいね。
2.クエン酸
クエン酸は酸性。アルカリ性汚れに効果があります。
ただし、金属をサビさせてしまう力があるので、クエン酸を使った後は洗い流すか、薄めたセスキで中和して。
私は弱アルカリ性の石けんで髪を洗ったあと、中和の意味で小さじ1、2杯を500㏄の水で薄めたクエン酸でリンスをしています。すっきりしてとても気持ちがよいですよ。
【主な用途】
- 蛇口、シャワーヘッドなどの水垢
- 食器洗浄機の庫内洗浄
- 浴室の石けんかす
- トイレの尿石。壁・床の消臭
クエン酸の掃除活用方法は「「クエン酸」はお掃除の強い味方!安心安全にさび落とし」で詳しくご紹介しています!
3.酸素系漂白剤
「カラーブライト」「オキシクリーン」などの商品も、酸素系漂白剤の作用を利用したものです。
洗濯に使うと、殺菌作用もあり、部屋干しでもにおいが出ません。
100g程度の酸素系漂白剤を洗濯機に入れ一晩放置すれば、洗濯機クリーナーにもなりますよ。
小さなことですが、お風呂の残り湯を洗濯に使う方は、洗濯機に酸素系漂白剤を投入するのではなく、浴槽に投入してから洗濯機に残り湯を移すのがベター。
ホースの内側の汚れが取れる、という理由です。
お風呂の残り湯の活用法で言えば、酸素系漂白剤を溶かし、洗面器や浴室用椅子、お風呂用オモチャなどを一晩浸け置きするのもよいですね。
湯釜の中、風呂栓、パッキン類までキレイになります。
「粉末をやわらかめのペースト状に練って、ハケで浴室のカビに塗ってパックをする」という使い方もありますよ。
ただし、自然系洗剤であっても、酸素系漂白剤を他の洗剤と混ぜて使ってはいけません。
【主な用途】
- 洗濯
- 浴室掃除
- ふきんなどの漂白
4.アルコール
カビ予防や殺菌の効果があり、油汚れを落とす効果があります。
カビの一種である、浴室床などのピンク汚れを退治してくれるのも、アルコールです。
【主な用途】
- 浴室のピンク汚れの掃除
- トイレ扉など、取っ手の消毒
- 台所、食卓の掃除、消毒
- 食品の長期保存用容器などの消毒
5.石けん
私たちの生活に身近な「石けん」ですが、石けんというのは、天然の油脂とアルカリというシンプルな成分で作られた洗剤のこと。
洗顔石けん、洗濯用石けんなどさまざまな種類があり、固形のものや液体タイプ、泡タイプのものがあります。
※泡タイプのものは、泡の状態を維持するためにさまざまな添加物が含まれている場合があります。成分表示をよく確認しましょう。
赤ちゃんでも安心な石けん
赤ちゃんの衣類やシーツなどを洗濯する際、大人用の洗剤では刺激が強すぎて肌が荒れてしまう場合があります。
赤ちゃんに優しい「界面活性剤不使用の洗濯用石けん」もしくは「赤ちゃん用洗剤」がおすすめです。
台所用石けん
特におすすめしたいのが、台所用石けん。
台所用石けんを食器洗い用スポンジにつけ、泡立てて使います。
油汚れなどがひどい場合は、不要な新聞紙などでお皿を拭き取るとよいですね。
また台所用石けんは、食器もふきんも洗えます。
オリーブ油脂でできたものは特に、冬でも手荒れせず、快適ですよ。
大きいものが多いので、肉厚な包丁で切って使うと使い勝手がよくなります。
石けんで落とした汚れは、再付着しやすい性質があるので、「ため水」はしないほうがベターです。
考えてみたい「香害」のこと
最後に、多くの洗剤、柔軟剤に使われている「香料」について考えてみたいと思います。
最近「香り」をPRポイントにした洗剤、柔軟剤をよく見かけます。
なかでも外国製品には香りの強いものが多いようです。
外国製品の場合、その国の民族の体質を基準にした製品づくりをしている場合が多く、もともと体臭が少ないとされる日本人には「そこまでの香りづけは必要ないのでは?」と思えるものも少なくありません。
天然香料であっても、使い過ぎれば体には影響が生じます。
化学物質過敏の子どもが同級生の洗濯物の香りで具合が悪くなったり、ご近所で干した洗濯物による「香害」が問題になるケースも…。
香りの使い方について、ちょっと立ち止まって考えてみる機会を作れたらいいなと思っています。
環境保全の貢献にもつながる「環境に優しい洗剤」を使いませんか?
「セスキ炭酸ソーダ」「クエン酸」「酸素系漂白剤」「アルコール」「石けん」この5つを使い分けることで、しっかりと汚れを落とすことができます。
自然素材の洗剤で汚れを落としやすくするには、普段からこまめに掃除をしておくとよいですよ。
「環境問題」と聞くと難しく感じてしまいますが、毎日使う洗剤を変えるだけでも環境保全への貢献につながります。
自然環境への影響を抑えた洗剤などを選んで、環境に配慮したやさしい生活を目指しませんか?
「The JOHNSON STORE」でも、環境に優しいグッズや様々な生活雑貨を取り扱っています。
札幌市電通り沿い(西6丁目)にありますので、ぜひお立ち寄りください♪
※参考サイト:石けん百貨
- 記事を書いた人
- 中澤 理恵 ジョンソンホームズ メンテナンス部 ジョンソンレディ
この仕事を始めてから苦手だった掃除や片付けが楽しくなってきました♪お客様の心に寄り添いつつ、退屈なルーティンワークにも日々の小さな楽しみを感じてもらえるお手伝いができたら嬉しいです。