新築なのに虫が!対策方法や出やすい虫別の特徴・退治法もご紹介!
掃除・お手入れ
#中古住宅#害虫対策#新築の家づくり
中村亜矢子2022.02.01
新築を建てたオーナー様とのお話を通じて、「虫」に関するお悩みについてお聞きすることがあります。
お悩みを耳にする機会が多いのは、段ボールや古本、畳などで見かけるチャタテムシのほか、イヤなにおいを発するカメムシ、クモ、コバエなど…。
新築したばかりのおうちにお住まいのオーナー様から「新築なのにどうして!?」というお声をお聞きすることもあるのですが、実は新築住宅には害虫が出やすい理由があります。
今回は、虫が出る理由やその対策方法、それぞれの害虫の特徴や退治法などについてご説明します。
新築なのに虫が出る理由は?
新築住宅に虫が出がちなのは、木材やコンクリートに含まれる水分が主な原因です。
虫のお悩みは、家を建てたばかりのオーナー様からも伺うことがあります。
「新築なのにどうして虫が出るの?」というお声も耳にするのですが、実は新築住宅は虫に好かれやすい特徴も…。
その特徴とは下記の通り!
- 虫のなかには湿気を好むものが多いこと
- 新築住宅ではまだ木材が乾ききっていないこと
- コンクリートを加工してから日が浅く水分を多く含むこと
これらの条件を合わせると、新築住宅はどうしても、虫にも「好かれやすい」環境となってしまうのです。
1、2年たって水分が安定すれば解決することがほとんどなので、水漏れなど明らかな異常がない限り、様子を見ていただくようお願いしています。
新築に出やすい虫の対策方法
新築の虫対策にはどのような方法が効果的なのでしょうか?
快適に過ごすための虫の対策方法をご紹介します!
ゴミを溜めない
出たゴミは室内に溜め込まず、こまめに処分しましょう。
三角コーナーの生ゴミや排水溝の汚れなど、キッチン周りのゴミを溜めてしまうとコバエなどが発生する原因に。
また、嫌な悪臭の元になる可能性もあるので、こまめに捨てることが大切です。
意外かもしれませんが、段ボールや新聞には要注意。
これらのゴミを長い間放っておくと、隙間に付いている虫が室内で繫殖してしまう可能性もあります。
新聞や段ボールはすぐに捨てることを基本にして、清潔な状態を保ちましょう。
湿度を調整する
新築に虫が出やすい原因は水分や湿気でした。
湿度が高くなると虫が出やすいので、室内の湿度をだいたい50%を超えないように安定させることが虫対策になります。
室内は、料理やお風呂などで発生する蒸気や人の呼気などによって湿気がこもりやすくなっています。
除湿には下記の方法を試してみてください。
- 部屋を換気する
- 除湿剤を置く
- エアコンの除湿機能を使う
- 扇風機やサーキュレーターを使う
- 結露をこまめにふき取る
除湿の基本は換気。
扇風機を併用することで、より効果的に換気をすることができます。
虫の侵入を防ぐ
室内の虫を減らすには「家の中に入ってくる虫を減らす」ことも大切です。
そのためも、庭や家の周りの雑草はこまめに草刈り・草むしり、除草剤の散布を心がけましょう。
「隣が空き地で勝手に手を出すことができない」という場合は、窓や網戸に「虫コナーズ」のような防虫剤を置いて侵入を防ぐとよいですよ。
虫は、ほんのわずかな隙間からでも入り込むもの。
特に掃き出し窓(床までの引き違い窓)を半端に開けてしまうと、網戸とサッシの間に隙間ができることがあるので注意しましょう。
ただ、虫が入り込むのはある程度仕方ないと割り切ることも必要。
「大量発生させない工夫」を大切にすることで、快適な生活ができるといいですね!
新築でご相談の多い虫の種類別の特徴と対策
オーナー様からよくご相談を受ける虫について、特徴や対策を紹介していきます。
アリやチャタテムシ、カメムシ、クモなど、嫌な害虫をしっかり対策しましょう!
【アリ】
新築なのに室内にアリがいると、気分が良いものではないですよね。
アリは、出しっぱなしの甘いものや食べ物を求めて集まってくるだけでなく、雨が降って行き場を失った時にも家の中に入り込んでしまうのです。
アリへの対策は、家の中への侵入口をブロックするのが重要な対策法です。
よくあるのは、巾木の角やユーティリティの接続部分、玄関やサッシの隙間から侵入しているケース。
侵入口を特定して外からふさいだら、室内に殺虫剤を置き、最後にアリが仲間を呼ぶためのにおいを消します。
ハッカ油やお酢などを入れた水を雑巾に含ませて通路を拭くだけで、次に来るアリの予防になります。
新築にアリが出る詳しい原因や対策などは「新築なのに家の中にアリが!?戸建て住宅でのアリ駆除方法」もご覧ください!
【チャタテムシ】
チャタテムシは体長1~1.5㎜程度の茶色い虫で、ダニと間違われることがよくあります。
家の中にいるダニ(イエダニ、ツメダニ)は基本的に肉眼では見えないので、「ダニが出た!」という場合のほとんどはこのチャタテムシです。
その特徴には、次のようなものがあります。
- どこにでもいる
- ダニとは異なり、ヒトを噛んだり刺したりはしない
- 湿気、高温を好む
- カビを好んで食べる
どこにでも出る虫ですが、湿気とカビを好む性質から、湿度の高い所、結露の周辺には特に集まりがちです。
具体的には、家具の裏、押し入れ、そば殻枕、段ボール・古本、台所など。
特にシンク下の収納スペースに集まって、粉類、麺類、乾物、カツオ節、スナック菓子などに入り込むことがよくあります。
「引っ越しの段ボールについてきた」ということも多いので、荷物は早めに片づけ、段ボールを処分できるとよいですね。
刺したり噛んだりはしなくても、死骸を吸い込んだり食品と一緒に食べてしまうとアレルギーの原因になるほか、気分だってよくありません。
さらに、チャタテムシをエサに、ダニが繁殖する可能性もあります。
小さな虫ですからいつの間にか家の中に入り込んでしまい、「気をつける」といってもなかなか限界があるのも事実。
「やれることをやるしかない」というのが実情ではありますが、次のようなことに気をつけるとよいでしょう。
- 風通しに気をつけ、湿気が溜まりがちな場所は乾燥させる
- カビを見つけたら、「パストリーゼ77」などで除去する
- 食品はジップロックなどで密封。粉物は冷蔵庫で保管する
- 湿気を吸いやすい段ボール、本類は乾燥させるか、不要なものは早めに処分する
チャタテムシの駆除は、虫よけスプレーが効果的。
予防にも使えます。
大繁殖してしまった場合の最終兵器には、虫コロリアースなど、霧・スモークタイプの殺虫剤が有効です。
【カメムシ】
生命力の強いカメムシ。
オーナー様や私の友人のなかにも「カメムシに悩まされている」という人は多いものです。
カメムシに関する相談を多く受けるのは秋から冬にかけて。
特に10月前後に相談のピークがあるようです。
というのも、どんどん気温が下がってくるこの時期、暖かい場所を求めるカメムシが家の中に入ろうとします。
その結果、日の当たる網戸に張り付いていることも多く、お悩みの原因となるのです。
カメムシの体は硬い「よろい」のような殻でおおわれているため、網戸の端にあるゴムを押しのけるのも得意。
2㎜ほどの隙間があれば、簡単に侵入してしまいます。
カメムシが嫌われる一番の原因はあのイヤな臭い…。
退治しようとしたり、外に追い出そうとすると「攻撃された!」と思って悪臭を出すので、まずは家の中に入れないことが大切です。
以下の2点を心がけましょう。
- 家の中に入る隙間を作らない
- 窓・網戸に駆除剤をかけて、侵入を防ぐ
駆除剤・虫よけは、スプレータイプのほか、ドアや窓に引っ掛けるタイプでもOKです。
薬がイヤな人は、ハッカ油スプレーを網戸に吹きかけるのも効果があります。
カメムシ対策で絶対に厳禁なのは「掃除機で吸い込む」「新聞紙でたたく」。
どちらもしばらくの間、消えない悪臭に悩まされることになります…。
カメムシについてさらに詳しい情報は、こちらのコラムもご覧ください。
「カメムシ対策のために特性を知ろう!家に侵入してくる時期はいつ?」
【クモ】
クモは基本的に屋外に住む虫です。
家の中に巣を張る場合、よく観察すると「いつも決まった場所」ということが多いのではないでしょうか。
クモが巣を張る場所、それはその付近にアリやコバエなど、クモが好む小さな虫がいる可能性があります。
あまり好ましくない見た目から嫌われがちなクモですが、実は害虫ではなく、益虫。
エサとなる虫を退治すれば、自然といなくなる場合がほとんどなのです。
クモを退治する前に、スプレーなどでアリやコバエ退治をするのが先決です。
それでもやっぱり「クモはイヤ!」という場合には、「クモの巣消滅ジェット」など、クモ用の駆除スプレーを使いましょう。
すでに張られた巣を退治する効果もありますし、壁・床をツルツルにして巣を張れなくする予防効果もあります。
【コバエ】
コバエ、と書きましたが、実はこれは正式名称ではなく、ショウジョウバエ、ノミバエなど小さなハエの総称です。
出現場所によって、いろいろな名前がついています。
コバエがわきやすい場所は、生ゴミ、観葉植物の土など。
カブトムシの土も非常にコバエがわきやすい場所です。
湿気が多いトイレ、洗面所、排水口、ペットゲージにも発生することがあります。
これらの場所は常に清潔に保ちましょう。
生ゴミはこまめに捨て、生ゴミ以外のゴミも早めに処理、観葉植物の鉢に腐った葉などが残っていたらすぐに捨てる、なども大切です。
【カゲロウ】
以前、川の近くにお住いのオーナー様から「壁一面に緑色の虫が…」とご相談を受けたことがありました。
近所に川や水田など「水」があると、何かのきっかけで大量発生することがあるのが、カゲロウです。
カゲロウには光を目指して集まってくる性質があります。
人体への害はなく、寿命も短い虫ですが、大量発生されれば気持ちのよいものではありません。
おすすめの対策は「発生場所から少し離れた場所にソーラーライトを置いて、気にならない場所に誘導する」というもの。
ライトの下に桶を置き、その中に日本酒を入れておけば、カゲロウは桶に落ちて溺れてしまいます。
新築の虫対策は湿度調整と侵入経路の遮断で効果的に!
新築でも、室内で害虫を発見することもあります。
新築住宅は、まだ木材が乾ききっていなかったり、施工したてのコンクリートに水分が多く含まれていたりすることで、虫が集まりやすい環境でもあります。
ゴミはできるだけ早く処分する、室内の湿度が上がりすぎないように調整する、虫の住処となりそうな草を刈ったり除草剤を撒くなどして対策しましょう。
アリ、チャタテムシ、カメムシ、クモ、コバエ、カゲロウなど、出やすい虫ごとの特徴と対策もぜひ参考にして、効果的な虫対策を行ってくださいね!
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- 記事を書いた人
- 中村亜矢子 ジョンソンホームズ メンテナンス部 ジョンソンレディ
音楽大好きです。聴くのも演るのも好き。生活に潤いと幸せをもたらす音楽はなくてはならないものです。人と話すのも好きで、ジョンソンレディとしてみなさまのお役に立てたら…と思っています。