札幌の土地価格はこれからどうなる?今後も上昇?現在の状況も確認
家づくり
#お金のこと#新築の家づくり#物件・土地探し
はれ暮らし編集部2022.06.09
「札幌で家を建てたい!」と思ったとき、「土地価格がこれからどうなるのか」気になっている方は多いはず。
今回は、札幌の土地価格の現状から、これからどうなるのかという疑問についてもお話します。
家を建てるタイミングについてもお話しますので、今後の家づくりの参考にしてくださいね。
※情報は2022年5月現在のものです。
札幌の土地価格の状況をチェック!土地の価格はどう決まる?
そもそも「土地の価格」はどのようにして決まっているのでしょうか。
売買価格は常に動く市場の土地価格のことなので、判断するのはなかなか難しいですよね。
一般の土地の取引には指標が定められており、定期的に同じ地点の土地の価格を評価することで前年度との変動の比較となり、客観的に確認がしやすくなります。
官公庁が公表している「土地価格」の指標として下記の3種類があります。
- 公示地価
- 路線価
- 基準地価
札幌市や北海道の傾向を中心にご紹介します。
2021年の札幌市の地価動向・地価変動率は前年度から上昇!
国土交通省土地鑑定委員会が「地価公示法」に基づいて、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示する「地価公示」。
「公示地価」とは何かというと、「地価公示によって国から公示された土地の価格」になります。
2022年3月に国土交通省が公表した「令和4年地価公示の概要」の「地価変動率の経年推移(住宅地)」を見てみると、札幌市の令和4年公示の変動率は9.3%上昇となっています。
下の表からもわかるとおり、2021年の変動率と比較すると5%も拡大しました。
都道府県庁所在地 | 令和4年公示 | 令和3年公示 | 令和2年公示 |
札幌市 | 9.3 | 4.3 | 7.1 |
(単位:%)
全国の地価動向も、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも前年度から上昇しました。
全用途平均 | 住宅地 | 商業地 | |
令和4年公示 | 0.6 | 0.5 | 0.4 |
令和3年公示 | ▲ 0.5 | ▲ 0.4 | ▲ 0.8 |
令和2年公示 | 1.4 | 0.8 | 3.1 |
平成31年公示 | 1.2 | 0.6 | 2.8 |
平成30年公示 | 0.7 | 0.3 | 1.9 |
(単位:%)
公示地価は土地の客観的な評価額となるため、実勢価格(実際の取引が成立する価格)や売買価格の参考にされます。
公示地価の上昇は、売買価格の上昇を意味することになります。
2021年の北海道内の「路線価」は前年比1%上昇
「路線価」とは、国税庁が定めている地域の路線に面している標準地の1平方メートル当たりの評価額のこと。
毎年7月1日に発表されています。
2021年7月、国税庁が令和3年分の路線価(2021年1月1日評価時点)を発表しました。
札幌市だけではなく北海道内(約1万5,400地点)のデータになりますが、北海道内の路線価の平均上昇率は前年比1%増加。
全国平均(マイナス0.5%)を上回りました(ちなみに2020年の平均上昇率は3.7%です)。
路線価と相続税、公示地価、売買価格の関係
路線価とは、相続税路線価、固定資産税路線価のことで、それぞれの税金の算定基準となるものです。
路線価は公示地価の80%程度(固定資産税路線価は70%程度)と決まっているため、公示地価から判断することも可能です。
実際に相続税などの評価をする場合は、この路線価に土地の形なども加味しながら評価額が決定されます。
相続税、また固定資産税の評価額に関わる数字なので直接気にする場面はそれほどありませんが、公示地価が元になっているため、客観的な土地の価格として利用することが可能なのです。
路線価は公示地価と同様、実際の土地売買価格からは少し遅れて上昇・下降します。
というのも、路線価は公示地価をもとに調査・決定していくため時間がかかるのです。
結果、実際に売買されている土地価格のほうが動きが早く、路線価が発表となった時点ではすでに売買価格の動向とは異なってしまいます。
2021年の札幌の「基準地価」は前年比で1.3%上昇!
国土利用計画法施行令に基づき各都道府県知事が基準地を選んで、毎年7月1日時点における1平方メートル当たりの価格を調査することを「都道府県地価調査」といいます。
「基準地価」は、都道府県地価調査で公表された土地の標準価格のことです。
2021年9月に公表された「令和3年都道府県地価調査」の北海道内の基準地価は、住宅地、商業地、工業地の「全用途」の平均は前年比で0.1%上昇、住宅地の全道平均にいたっては前年比0.3%上昇しています。
札幌市の場合を見てみると、令和3年調査の地価変動率は7.4%となっており、前年比1.3%上昇しました。
都道府県庁所在地 | 令和3年調査 | 令和2年調査 |
札幌市 | 7.4 | 6.1 |
(単位:%)
全国の地価動向は以下のとおりです。
全用途平均 | 住宅地 | 商業地 | |
令和3年調査 | ▲ 0.4 | ▲ 0.5 | ▲ 0.5 |
令和2年調査 | ▲ 0.6 | ▲ 0.7 | ▲ 0.3 |
令和元年調査 | 0.4 | ▲ 0.1 | 1.7 |
平成30年調査 | 0.1 | ▲ 0.3 | 1.1 |
平成29年調査 | ▲ 0.3 | ▲ 0.6 | 0.5 |
(単位:%)
全用途平均、住宅地、商業地ともに、数値に差はあるものの2年連続下落傾向にありますね。
しかし、全国的に住宅地の基準地価が下落傾向となっているにも関わらず、札幌市(北海道内)は上昇しているのが特徴です。
このように、変動率がマイナスとなった都道府県がある一方、変動率がプラスとなった都道府県が北海道をはじめ7つあり、前年から増加している傾向があります。
札幌の土地価格はこれからどうなる?今後値下がりする可能性は?
住宅を購入しようとした場合、気になるのは実際の土地の値動きですよね。
札幌市の土地価格の上昇は、住宅需要が伸び続けていることが一つの要因といわれています。
低金利や新型コロナウイルス感染症の影響での在宅勤務の長期化により、持ち家の購入を検討する層は増えているといいます。
札幌市内では、特に手稲区や厚別区、白石区といった比較的土地価格が割安な地域において、戸建て需要が増えている傾向にあるようです。
ただし、2022年に入り、金利は上昇傾向に。
札幌の地価に関しては「今後急激に値下がりする可能性は低い」と見られてはいるものの、2022年にかけてほどの伸びは見られないのではといわれています。
もちろん景気の動向に左右されますので、この予測も確実ではありません。
ちなみに、札幌市以外では、札幌市と千歳空港の中間に位置する「北広島市」に注目が集まっています。
「令和4年地価公示の概要」の全国の変動率上位順位によると、北広島市栄町が、住宅地・商業地ともに変動率1位という結果に。
北広島市の中心市街地はインフラ整備が整ってきているほか、北海道日本ハムファイターズ ボールパークプロジェクト事業が進められていることもあり、住宅需要が増加しています。
それに伴い、住宅地の地価変動率上位(1位から10位まで)を北海道が独占している状況です。
札幌の土地価格は上昇中。土地価格上昇中は家を建てないほうが良い?
「土地価格上昇中は家を建てないほうが良いのか」と考える方もいらっしゃるでしょう。
答えは「ノー」です。
土地や建物の価格上昇(下落)は予測できず、将来どうなるかはわかりません。
ある程度の方向性はわかるものの、「100%こうなる」という答えのない世界です。
また、住宅ローン金利の動向についても同様のことがいえます。
現在は低金利で推移していますが、今後上がり続けるかもしれませんし、このまま変わらないかもしれません。
はじめにご紹介しましたが、土地の取引の指標となっている「公示地価」「路線価」「基準地価」が、上昇傾向にあるということは、実際の土地相場はすでに上昇に転じてしばらく経っているということ。
私たち札幌市の住宅メーカーの実感としても、確かに札幌の良い土地は年々出にくくなり、土地価格は上昇していると感じます。
「これはお客様におすすめしたい!」と思える土地ほど、人気が高く、手に入れにくくなっています。
お客様にとって一番良いと思える土地からご紹介していますが、なかなか手に入らないというのが実情です。
私たちは新築住宅も、中古住宅も取り扱っていますので実に様々なお客様とお会いします。
経済的に新築戸建てを建てる余裕があった方でも、タイミングを逃してしまい、健康状態やローンなどの事情から、中古住宅リフォームを選択されることがあります。
もし新築住宅を建てたいと考えていて「今なら余裕があり購入可能!」という場合は、タイミングを見逃さないようにすることが重要です。
家の建てどきについてお悩みの方は、「家の建てどきはいつ?家づくりのタイミングや知っておきたいポイントも」で詳しくご説明していますので、ぜひチェックしてみてくださいね!
住宅価格も値上がり中?札幌の家づくりは早めのスタートがカギ!
土地価格以外にも気になるのが住宅価格。
住宅自体も値上がりしており、年々購入価格は上がっています。
これは災害の復興事業により工事に関わる人手が不足していることや、建築用資材の値上がりが要因です。
資材の値上がりに関しては、現在、世界規模で「ウッドショック」という深刻な建築用木材の価格高騰、需要に対しての供給不足が起こっていることも要因のひとつ。
新型コロナウイルスにより、アメリカで新築住宅の需要がアップしたことで、木材の価格に大きく影響を与えたと考えられています。
今後、新型コロナウイルスによる影響の緩和や、景気回復から住宅ローンの金利が上がることになれば、もっと建築用資材の購入が難しくなってくる可能性もあります。
人手不足や建築用資材の値上がりが早急に解決されるとはなかなか考えられず、時間がかかるかもしれません。
また、物価というのは長い目でみると上がり続けるものなので、今より住宅の販売価格が下がるということはないと見ていいでしょう。
もちろん、革新的なイノベーションが起こり、全く異なる住宅販売モデルが確立する可能性はあります。
ただ、そうなる可能性と、現在の状態が続く可能性を比較した場合、「現在の状態が続く可能性の方が高そう」だと思います。
おうちづくりをするなら、早めのスタートがカギとなりそうですね。
札幌の土地価格は上昇中。家づくりはタイミングを逃さずに
今後も上昇が見込まれる札幌の土地価格の相場。
札幌の土地価格の状況を確認したい場合は、土地取引の指標である「公示地価」「路線価」「基準地価」をチェックしましょう。
統計を確認すると、札幌市や北海道内の土地価格が上昇傾向にあることがわかります。
- 令和4年公示の公示地価:札幌市の地価変動率は前年比9.3%上昇
- 令和3年分の路線価:北海道内の路線価の平均上昇率は前年比1%増加
- 令和3年調査の基準地価:札幌市の地価変動率は前年比1.3%上昇
札幌市の土地価格の上昇は、低金利や在宅勤務による住宅需要の高まりが要因の一つといわれていますが、金利は2022年に入り上昇傾向に。
札幌の土地価格が今後急激に下がることはないと予測されていますが、2022年までほどの上昇は見られないのではともいわれています。
ただし、住宅購入価格については値上がりが続いていますので、おうちづくりをするなら早めのスタートがおすすめです。
※情報は2022年5月現在のものです。
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- 記事を書いた人
- はれ暮らし編集部 ジョンソンホームズ
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