中古住宅のリフォームで使えるローンは?購入時のリフォームがお得?
家づくり
#お金のこと#リフォーム#中古住宅#物件・土地探し
はれ暮らし編集部2021.05.06
ここ数年、中古住宅を購入してリフォームされる方が増えています。
国土交通省の「土地問題に関する国民の意識調査」では、2016年にはじめて新築住宅取得希望者の割合が6割を切り、令和元年には新築住宅を取得したいと回答した人の割合は53.4%と、年々減少傾向にあります。
ですが、中古住宅が「新築ではない(古い、汚い)」「構造や不具合が不安」といった理由で、中古住宅取得後に自らリフォームをする方も多くいらっしゃいます。
住宅購入に加えてリフォーム工事をするとなると費用も高くなりますが、この場合にはリフォームローンや住宅ローンが利用できます。
今回は、それぞれのローンの特徴や、中古住宅を購入してリフォームする場合の注意点などをご紹介します。
損をしない借り方を一緒に考えてみましょう。
中古住宅のリフォームに使えるローンの種類は?
中古住宅購入と同時にリフォームをする場合、基本的には水回りなどの実用的な部分の改修が多いようです。
しかし、リノベーションのように、大規模に間取りや省エネ改修を行い、自分らしい住まいにする人も増えています。
大規模な改修の場合、リフォーム金額は1000万円以上となることもありますから、支払いはローンを利用する人が多くなります。
中古住宅を購入してリフォームするときに使えるローンには、次の2種類があります。
リフォームローン
中古住宅のリフォームで使えるローンの一つは、「リフォームローン」。
リフォーム目的に使用できるローンで、多くが無担保、審査も早いのが特徴です。
ただ、金利が2~5%と高めで、借入期間も1~15年と短めに設定されているため、リフォーム内容によっては利用できないことがあります。
また、借入可能額が50~1000万円程度の商品も多いため、リフォーム費用が高くなる場合はリフォームローンをうまく活用できないケースもあります。
住宅ローン
リフォーム費用が高くなる場合におすすめなのが「住宅ローン」です。
中古住宅購入を同時にする場合、リフォームにも住宅ローンが使えます。
金利は1%前後が目安で、返済期間は30~35年程度、借入可能額は約100万~1億円程度が相場となっています。
審査は厳しく時間がかかりますが、その分金利が低く設定されており、返済期間も長いため月々の支払額が安いなど、メリットも多いです。
また一定の要件を満たすことで、住宅ローン減税の対象となりますので、リフォーム金額が高めの場合は断然こちらがおすすめです。
中古住宅のリフォームにはリフォームローンと住宅ローンどちらを選ぶ?
住宅ローンはいつでもリフォームに使えるわけではありません。
住宅取得に関わる費用として借りるものなので、リフォーム工事費用だけ(すでに自宅に住んでいてローンを完済している場合など)では、住宅ローンは使えません。
反対に、住宅購入時にリフォームをする場合は、チャンスです。
住宅ローンを組むことさえできれば、リフォーム費用をその中でまかなえるからです。
ただ、注意が必要なのは、リフォーム金額。
リフォーム金額がそれほどではないのに住宅ローンに組み込んでしまうと、総支払額が高くつく場合があります。
月々の支払額、自分たちの手元の資金(現金)、総支払額、バランスをみながらローンをどう組むか考える必要があります。
たとえば、住宅購入資金を1000万、リフォーム工事代金を500万円とした場合で考えてみます。
住宅資金は住宅ローンが組めるので、仮に全期間固定金利1.5%、35年払いで組むと、月々支払いはおよそ3万円、総支払額は1286万円となります。
基本的にはこれに諸費用と、リフォーム代金がプラスされます。
リフォーム代金は、金利と借入期間によって月々支払いと総支払額に差が出ます。
表にしてみました。
これを見ると、月々支払い額を抑えたい方には断然住宅ローンがおすすめです。
また、この金額だと総支払額も30万円ほどの差で収まりますので、総支払額が気になる方にも住宅ローンはおすすめです。
逆に、いまのうちに一気に支払ってしまいたいという場合は、リフォームローンを選ぶ、ということもあってもいいかもしれませんね。
ただ、リフォーム金額が上がれば上がるほど、当然月々支払いが重くなります。
家計の余裕をみるなら、大規模修繕・リノベーションの場合も住宅ローンがおすすめです。
中古住宅のリフォームでローンを検討しているならココに注意!
中古住宅を購入してリフォームをする場合に注意しておくべきことをご紹介します。
後悔しないようにしっかりと注意点をチェックしておきましょう。
購入物件の耐用年数や築年数を確認
中古住宅でローンを組む際にポイントとなるのが、住宅の耐用年数。
耐用年数とは「減価償却資産が利用に耐える年数」のことで、住宅の場合は安心して建物に住める年数のことを指します。
金融機関が融資を決める際に、この耐用年数を審査基準のひとつにしているケースが多いです。
耐用年数を超えた住宅は建物としての評価が低くなるため、借入期間が短くなり、毎月の返済額が多くなってしまう場合もあります。
また、住宅ローン減税制度を利用するなら築年数もチェックしておきましょう。
中古マンションなどは築25年以内、木造などの中古住宅は築20年以内など、適用条件が決められているため、築年数によっては利用できない場合もあります。
築年数は、思った通りにローンが組めるかという点だけではなく、後の修繕費用にも関わります。
そもそもリフォームができる物件か、築年数が古い場合は耐震性能や天井や壁にひび割れや亀裂がないかなど、建物の状態もチェックしておきましょう。
ローン借入金額の上限は物件の担保価値に左右される
耐用年数を超えていなくても、中古住宅を購入する際の住宅ローンは、注文住宅や新築住宅購入時と比較すると借入可能額の上限が低くなる可能額が高くなります。
借入可能額の上限は、担保価値と呼ばれる物件を売却して得られる対価に影響されるため、中古物件は同じ立地などの条件の新築物件と比べると、どうしても見積もりが低くなります。
ただ、住宅ローン減税やすまい給付金などの優遇制度も利用できるケースがあるため、それらもうまく使って無理のない返済計画を立てることが大切です。
物件購入費用以外にも諸費用がかかる
中古物件を購入する際は、物件購入価格以外にも費用が発生するため、それらの費用も計算したうえでローンの借入金額を検討する必要があります。
物件費用以外の主な支出としては、不動産会社への仲介手数料や、不動産登記に必要な登録免許税や登記簿謄本などの費用、固定資産税の清算金などがあります。
これらの諸費用は一般的に物件費用の7~10%程度の金額になると言われています。
支払のタイミングは、契約時に半分を支払い、引き渡し時に残り半分を支払うのが一般的です。
しかし、不動産会社によってはどちらかのタイミングで全額支払うケースもあるので確認しておきましょう。
中古住宅のリフォームは購入時にローンを利用してお得に!
中古住宅を購入してリフォームをする際に使えるローンは、リフォームローンと住宅ローンの2種類があります。
月々の返済額や金利、総支払額などのバランスを見て、どちらにするか決めるとよいでしょう。
物件を購入する時には、耐用年数や築年数を確認し、借入可能額の上限を決める担保価値も考慮して選びましょう。
ローンを組む際は物件本体の価格以外にも必要となる諸費用も計算して借入金額を考えることが大切です。
中古住宅には、新築住宅にはない柔軟性がある一方で、やはり間取りや設備が古いというデメリットもあります。
これから子育てをしようという若い世代であれば、しっかりリフォームをした上で住み始める方が快適で安心して暮らせるはず。
リフォームでうまくデメリットを補いながら、お得に暮らしていきたいですね。
はれ暮らしでは、他にも住まいや暮らしに役立つ情報をたくさんお届けしています。
家づくりに関するコラムもたくさんご紹介しているので、合わせてご覧くださいね。
- 記事を書いた人
- はれ暮らし編集部 ジョンソンホームズ
すべての人が自分らしい暮らしを楽しめるアイデアをご紹介しています!