北側斜線制限とは?具体的な内容や注意すべき点も解説!
家づくり
#新築の家づくり
はれ暮らし編集部2021.05.06
近所を見渡してみると、上の画像のように家の端がカットされているような形状の家を見たことはありませんか?
これには「北側斜線制限」が関係しています。
建築物の高さ制限のひとつである「北側斜線制限」。
この制限は住居専用地域にのみ適用され、快適な住環境を守るために必要なルールです。
今回は北側斜線制限とは何かや、制限の具体的な内容、注意点などについて説明します。
北側斜線制限とは?
まず最初に、家を建てる土地は都市計画法によって13種類の用途地域のいずれかに分類されています。
用途地域によっては2階建て以上の建築物が建てられなかったり、商業施設が建てられなかったりと、その土地ごとに建築基準が定められています。
その中でも、第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域や第二種中高層住居専用地域といった4つの用途地域には、北側斜線制限が存在します。
この北側斜線制限とは、北側隣地の住宅への日当たりの確保を目的に、建築基準法で定められた建築物の高さを制限する法規です。
南側に建つ住宅に日光がさえぎられて北側の住宅への日照条件に影響が出ないよう、快適な住環境を保護するための規定ですね。
北側斜線制限の具体的な制限内容とは?
上の画像の半透明の箱状の物の中が建物を建てていい範囲となっており、右上が斜めに欠けている部分が北側斜線制限の部分です。
制限の内容には2つの種類があり、1つは自分の敷地の北側に隣の敷地がある場合に適用されます。
この場合、自分の敷地内に建築できる建物の高さは、その部分から隣の敷地との境界線までの距離が長いほど高くすることができます。
北側の隣地境界線上に一定の高さをとり、そこから一定の勾配で記された斜線の範囲内の高さでマイホームを建てられるということです。
一定の高さとは、第一種・第二種低層住居専用地域では5m、第一種・第二種中高層住居専用地域では10m。
勾配は一般的に、真北方向の水平距離×1.25の角度で適用されます。
2つ目は、自分の敷地の北側に道路がある場合の制限です。
このケースでは、北側道路と向かいの敷地との道路境界線からの距離が長いほど、自分の敷地に建築する建物の高さを高くすることができます。
この制限を上手にかわして、建物が配置できればいいのですが、土地が狭いとそうもいきません。
北側斜線制限を上手くいかし、屋根を斜線に沿わせるようにデザインするなど、北側斜線制限がかかる地域では建物の配置や建築プランに配慮が必要です。
しかしデメリットだけでなく、周りに高いビルなどが建つことがないため、他の用途地域に比べて日当たりが悪くなる可能性が低いというメリットもあります。
北側斜線制限の方向や高低差に関する注意点
北側斜線制限の概要や内容は上記の通りですが、細かな注意点がいくつかあります。
まずは「北側」が指す方向について。
この場合の北側とは、方位磁針が指す北の方向ではなく、地球の自転軸が通る北極点の方向である「真北」を指します。
また、隣地との「高低差」がある場合は適用条件に影響があります。
北側隣地が自分の敷地よりも1m以上高い場合は、その高低差から1m引き、2で割った数値の分だけ敷地の地盤面が高いところにあるとみなして北側斜線の計算をします。
反対に北側隣地が自分の敷地よりも低い場合は、高低差のない敷地と同じだと仮定して北側斜線制限が適用されます。
北側斜線制限を守って自分もお隣も快適な住環境を作ろう
北側斜線制限とは、日照を保護して住宅の環境を快適に保つために設けられているルールです。
住居専用地域で自分の敷地の北側に隣地や道路がある場合に適用され、北側の隣地境界線上に一定の高さをとり、そこから一定の勾配の斜線の範囲内で建物を建てることができます。
ここで言う北側とは「真北」のことで、隣地との高低差がある場合はその差も考慮して計算する必要があります。
北側斜線規制は、真北の求め方や高低差など細かい条件なども考慮しなければならないため、複雑で自分たちで計算するのは厳しいでしょう。
北側斜線規制がある地域の土地選びや設計などについて不明点や疑問などがあれば、不動産会社に相談してみるとよいですね。
いずれにしても、土地選びは利便性や価格だけでなく、用途地域の内容も理解した上で決めることをおすすめします。
敷地内に建てられる建物の大きさは、北側斜線制限などの高さ制限だけでなく、建ぺい率や容積率などにも影響されます。
「建ぺい率と容積率とは?家を広く建てるコツやその他の制限も解説!」も合わせてご覧くださいね。
ジョンソンホームズのお家を見学しながら土地探しをご希望される方は、オープンハウスなどの住宅イベントにもお気軽に参加してみてくださいね。
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建てる前に知っておきたい情報や、建ててからの住まいや暮らしをさらに快適にするちょっとしたコツまでご紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
- 記事を書いた人
- はれ暮らし編集部 ジョンソンホームズ
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