オール電化からガスへ!オール電化が寒いと感じたらエネチェンも視野に
家づくり
#マンション#メンテナンス#一戸建て#暖房#設備
はれ暮らし編集部2022.07.11
「クリーンで経済的なエネルギー」だといわれたオール電化の全盛期から十数年。
2011年に起きた東日本大震災を機にエネルギー事情が大きく変化したことから、オール電化は震災前に比べ必ずしも経済的なプランとは言えなくなってきました。
また「オール電化のセントラルヒーティングでは、冬は室内が寒い」というお悩みを耳にすることもしばしば。
寒冷地用エアコンなどの補助暖房を導入したり、オール電化からガスや灯油に切り替えを検討される方も増えています。
今回は、オール電化からガスへの切り替えを検討している方へ、切り替える際の工事の流れや費用、切り替えるタイミング、オール電化での寒さ対策について解説していきます!
オール電化からガスへ切り替え!工事内容や費用を見てみよう
2011年の震災以前、大人気だったオール電化の住宅。
オール電化とは、暖房・調理・給湯など使用するエネルギーを全て電気でまかなうことができる住宅のこと。
空気を汚さずクリーンで火事の心配が減るといったメリットがあり、光熱費を一つにまとめることができるため経済的でエコといわれていました。
ですが、震災後の電気代上昇などから、現在では必ずしも経済的で優れているとは言えなくなっています。
そこでここ数年、多くのお客様からご相談を受けるのが「エネチェン」です。
「エネチェン」とはオール電化住宅にガスや灯油を導入するリフォームのことを言います。
ガスを例としたリフォーム工事の手順はおおまかに次のようになります。
- 現在使用している電気温水器を撤去
- ガスのボイラーを設置するための切替工事を行う
ただし、どのような住宅でも自由にエネルギーを変えられるわけではありません。
特に、電気温水器の位置によっては、ガスの切り替えが難しいこともあります。
工事の必要費用は約70~80万円です。
工事によってはボイラーは排気等の関係もあり、外壁に接した場所に設置しなければならないため、新たに配管、配線を設置するとなると非常に大掛かりな工事と高額の費用が必要となることも。
なので複数のガス会社で見積もりを取り、価格を比較するのがおすすめです。
工事期間中は給湯・暖房は使えませんが、電気からガスに変更しても、現在お使いのセントラルヒーティング(パネルヒーター)はそのまま使用できます。
オール電化からガスへの切替工事の流れと工事費用
ガスを設置するための切替工事の流れは以下の通りです。
- 本支管工事:道路部分
- 引き込み管工事:道路部分
- 敷地内配管工事
- ガス機器取付工事
1. 本支管工事:道路部分
自宅前の道路にガス管が埋められていない場合に行う、新たにガス管を埋設する工事です。
既に自宅前にガス管がきている場合は不要です。
費用は基本的にガス会社の負担となります。
ですが、ガス会社ごとに定められた一定額より費用がかかる場合は、超えた分を利用者が負担します。
ガスの本支管と住宅までの距離が遠い場合は、負担が発生する可能性も。
事前に見積もりで確認しておきましょう。
2. 引き込み管工事:道路部分
本支管から、自宅の敷地内までガス管を引き込む工事です。
道路から住宅の敷地までガス管を伸ばします。
費用は、ガス会社負担のため利用者の負担はありません。
3. 敷地内配管工事
敷地内まで伸ばしたガス管をガス機器まで配管をつなげる工事です。
費用は、1mガス管を引き込むごとに1万円前後の相場で長くなれば価格が高くなります。
敷地内からガス機器までの距離で価格が決まりますが、一般的に約10〜20万円かかるといわれています。
4. ガス機器取付工事
新たに購入したガス機器の取り付け工事です。
ガスメーターの点検・開栓作業・動作確認を行い、切替工事完了です。
給湯器・コンロそれぞれの本体費用と設置費用を合わせた相場が以下となります。
給湯器:約10〜40万円(うち設置費用は約3〜6万円)
ガス給湯器は性能によって価格が変わります。
エコキュートなどの元の温水器を取り外し、撤去を依頼する場合は追加で費用がかかる可能性もあります。
コンロ:約3〜15万円
コンロも機能によって価格が変わります。
シンプルなガス台のみの設置であれば、本体価格や配送料や取り付けを合わせて約3万円からと比較的リーズナブルですが、ガス台とコンロが一体化したビルトインガスコンロを設置する場合は、設置費用が高額になることもあります。
ガス機器の取付工事完了後、ガスの利用ができるようになります。
敷地内の工事日数は1~2日ですが、本支管工事や引き込み管工事が必要なケースでは、道路管理者へ申請などの手続きも発生するため、トータルの工事期間は約1ヶ月と考えておきましょう。
オール電化からガスへ切り替えを検討するタイミング
以下のようなタイミングでオール電化からガスへ切り替えを検討される方が多いです。
オール電化の冬場が寒いと感じたタイミング
オール電化は、一般的に選ばれやすい灯油ボイラーやガスボイラーに比べ温める力が弱く、立ち上がりも遅い傾向にあり、寒いと感じてしまう方も多いようです。
オール電化の暖房と合わせてポータブルストーブやエアコンなどの補助暖房を使用するという工夫をされる方もいます。
補助暖房を使う場合は、追加でさらに電気代もかかってしまうので、冬場は特に電気代で悩まれる方も多いでしょう。
オール電化の光熱費が高いと感じたタイミング
近年、電気代が高騰していることもあり、光熱費の削減や省エネを考え、ガスへの切り替えを検討している方も多いですよ。
特に北海道は他の地域と比較して電気代が高い傾向にあるため、冬場は電気代が月6~8万にもなることも…。
オール電化の場合は、昼間の電気代が割高で、深夜の方が電気代が安いです。
なので電気代が安い時間帯に集中して調理・入浴などを済ませるなど工夫されている方もいます。
また、シンプルに暖房温度を下げるといった工夫をされている方も。
ですが、このような工夫も度が過ぎればストレスにつながりかねません。
在宅ワークなどで家にいる時間が多い方は余計に光熱費の負担が大きく、光熱費の削減の工夫にも限界があるため、オール電化からガスを検討される方も増えてきています。
オール電化の設備の不調を感じたタイミング
オール電化の電気温水器の寿命は、一般的に10〜15年と言われています。
設備の不具合やエラーが出ることが多くなった場合は、交換の時期かもしれません。
オール電化全盛時代に建てられた多くの住宅が築10年以上となり、オール電化からガス(または灯油)への切り替えリフォームの相談が増えています。
また、「これまで使ってきた電気温水器の修理をしたかったけれど、すでにその製品が生産停止になり、部品もなくてできなかった」という方も、エネチェンを検討されることが多いです。
オール電化のお湯切れが不便と感じたタイミング
オール電化は、電気温水器で沸かしたお湯を使う給湯スタイルです。
そのため、家族が増えた時や長い時間お湯を使ってしまうと、途中でお湯が切れてしまった!なんてことも。
好きな時間にシャワーを使えなかったり、親戚などが泊まりにきてもお湯切れが心配でシャワーを貸せないなどといった不便な面があります。
ガスであれば瞬間湯沸かし式のため、お湯切れの心配はありません。
すぐにガスへの切り替えは難しい…そんな場合のオール電化の寒さ対策
エネチェンも考えてはいるものの、すぐにガスや灯油へ切り替えるのは難しいという方は、以下のような寒さ対策の工夫をしてみると良いですよ。
- 断熱カーテンや断熱シートで冷たい空気を防ぐ
- 補助暖房を使う(エアコン・ポータブル式灯油ストーブ・カセットボンベ式ガスストーブなど)
- 厚着をしたり、暖かい飲み物・食べ物を摂って体感温度を上げる
すぐにできる対策としては、厚着をしたり、暖かい食べ物・飲み物を摂ることですが、それでは限界があります。
本格的な対策を検討するのであれば、断熱カーテンや補助暖房の導入も考えてみましょう。
補助暖房は、災害時にも使えるカセットボンベ式ガスストーブなどを併用する方も多いようです。
また、電気代を節約しつつ寒さ対策も叶ったエアコンを導入した事例もあります。
寒冷地用エアコンによる暖房を使用し電気代を大幅削減
「あくまでも快適に、でも電気代も抑えたい」という方たちの間で最近人気なのが「寒冷地用エアコン(暖房機能付きエアコン)」の設置です。
最近のエアコンは省エネ性能が高いのと同時に暖房性能も高く「エアコンをつけたら、パネルヒーターが不要、または最弱で済むようになり、月2万円も電気代が下がった」というお声もあります。
費用としてはエアコン1台の本体が約30万円~、設置費込で約40万円~といったところでしょうか。
それぞれの家の造りによって、1階に設置しただけで家全体が温かくなる場合、各階に設置する必要がある場合などがあるので、ハウスメーカーや施工会社に相談してみてくださいね。
オール電化からガスへ!工事の注意点やタイミングを知って検討を
オール電化は、震災前までは経済的でエコといわれ人気でしたが、エネルギー事情が変化したことから電気代が高騰し、必ずしも経済的で優れているとは言えなくなってきました。
そこで、オール電化からガスへ切り替える「エネチェン」を検討される方が増加。
敷地内の工事は1日〜2日で作業が終了しますが、引き込み管工事が必要な場合は申請などの手続きで時間がかかることもありますよ。
オール電化で冬場の寒さが気になるときや光熱費が高いと感じたときは、ガスへの切り替えを検討しても良いかもしれません。
設備の不調やお湯切れの不便さをきっかけにガスへ切り替える方もいらっしゃいますよ。
すぐにエネチェンをするのが難しいという方は、オール電化の冬場の寒さ対策として断熱カーテンを使用したり、補助暖房としてエアコンやポータブルストーブを使う方法もあります。
現在はまだオール電化のままでよくても、将来的にはどうしたいのかを今のうちから考えておくといざというときに慌てなくて済むのではないかなと思います。
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- 記事を書いた人
- はれ暮らし編集部 ジョンソンホームズ
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